ジーン_(バンド)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ジーン_(バンド)の意味・解説 

ジーン (バンド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 07:34 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ジーン
出身地 イギリス
ロンドン
ジャンル オルタナティヴ・ロック
ブリットポップ
活動期間 1993年 - 2004年
レーベル Costermonger
ポリドール
Contra
メンバー マーティン・ロッシター
スティーヴ・メイソン
マット・ジェイムス
ケヴィン・マイルス

ジーン (Gene) は、イギリスロンドン出身のオルタナティヴ・ロックバンド

概要

1993年結成。デビューした時期が重なったためにブリットポップのバンドとして括られがちであるが、同時期の享楽的なバンドたちとは一線を画した独自の美意識を持ち、ボーカルのマーティンはザ・スミスモリッシーとも比較され、本国のプレスからは「カムデン・スミス」とも評された[1]

しかし音楽的にはザ・スミスよりも力強いギターサウンドや叙情的なメロディを特徴としており、スモール・フェイセスザ・ジャムトリビュート・アルバムにも参加するなど、モッズバンドからの影響も持ち合わせていた。2004年に解散を発表。

来歴

1994年NMEの記者がジーンのために設立したインディーレーベル「Costermonger」から、シングル「フォー・ザ・デッド」を発表しデビュー。その後メジャーレーベルポリドールと契約を結び、3枚のシングルしか発表していない時点でNMEのベスト・ニュー・アクトにオアシスらを抑えて選出されるなど、ブリットポップが本格的に勃発する前から大きな期待を集めていた。

1995年発表の1stアルバム『オリンピアン』は全英8位を記録。翌1996年にはアルバム未収録曲やライヴテイク、レディオ・セッションなどの音源を集めたコンピレーション・アルバム『トゥ・シー・ザ・ライツ』の発表を挟んで、1997年に2ndアルバム『ドローン・トゥ・ザ・ディープ・エンド』を発表。前作よりもスケール感を増した楽曲やバンド・サウンドは高い評価を集め、前作と同じく8位を記録。またこの時期フル・オーケストラを従えたロイヤル・アルバート・ホールでの単独公演も成功させている。

しかしブリットポップ・ムーブメントの衰退により同時期のバンドが軒並み消えていく中、ジーンも徐々にセールス面で苦戦を強いられる。1999年発表の3rdアルバム『レベレイションズ』は最高位25位とセールス面で伸び悩み、所属していたポリドールから契約を打ち切られてしまう。しかしインディーに転じた後も、イギリスをはじめとしたヨーロッパ各国や日本アメリカをツアーするなど、ライヴの集客面ではファンからの根強い支持は顕在だった。

新たに自主レーベル「Contra」を立ち上げ、2000年ロサンゼルスハリウッド公演を収録したライブ・アルバム『Rising For Sunset』、そして2001年には4thアルバム『リバーティーン』を発表。とくに『リバーティーン』は、メンバーが「今までのどのアルバムよりいいし、もちろんベスト盤よりもいい」と語るほどの自信作だったが、チャートでは振るわずセールス的には失敗に終わる。その後もライヴを中心に活動を継続していたが、2004年11月に突如解散することを発表。翌12月にラストシングル「Let Me Move On」を発表し、ロンドン・アストリアなどで解散ライヴを行った。

2008年には、ジーンの元マネージャーの誕生パーティーに元メンバー4人が久々に顔を合わせ、ステージで5曲を演奏している。

解散後

  • マーティンは音楽学校の教師をしながら生計を立てる一方、ブライトンを中心に活動するバンド「コール・ミー・ジョリーン」(Call Me Jolene) のメンバーとして活動。
    2010年ごろからはソロ活動も開始。2012年11月、PledgeMusicを通じたファンからの資金提供により、初のソロアルバム『ザ・ディフェネストレーション・オブ・セント・マーティン』を発表している[2]
  • スティーヴとマットは、2006年に「パレス・ファイアーズ」(Palace Fires) を結成。ジーンの流れを汲む叙情的なメロディを鳴らすバンドだったが、商業的には成功しないまま2010年には解散状態となる。2011年には、お蔵入りとなっていたデビューアルバム『Palace Fires』がダウンロード限定で発表された。

その他のエピソード

  • ボーカルのマーティンは一時同性愛者であることをカミングアウトしていたが、後に結婚して2児の父となっている。
  • モリッシーは、ジーンのことを好意的に評価していた。
    知人から『オリンピアン』のテープをもらったモリッシーは、「いいアルバムだと思ったよ。あれを聴いてもそんなにスミスを思い浮かべはしなかったけど……(恥ずかしそうに)僕には似てた。でもジーンはジーンであって、スミスとは違う。批判したいなんて思わないよ。でも彼らのところに駆け寄って、花を振りかざして、さあこれからはきみたちの番だよなんて言う気にもなれない」と皮肉屋らしいコメントをしている[3]
    しかし、モリッシーがホスト役となった2004年のメルトダウン・フェスティバルにジーンを出演させたり、ジーンのUSツアーにも観客として顔を出すなど、ジーンのことはお気に入りのバンドだった[4]

ディスコグラフィー

以下の順位は全て全英チャートによるもの

スタジオ・アルバム

  • 1995年
    オリンピアン - Olympian 8位
  • 1997年
    ドローン・トゥ・ザ・ディープ・エンド - Drawn To The Deep End 8位
  • 1999年
    レベレイションズ - Revelations 25位
  • 2001年
    リバーティーン - Libertine 92位

コンピレーション・アルバム

  • 1996年
    トゥ・シー・ザ・ライツ - To See The Lights 11位
  • 2001年
    ディス・イズ・アズ・グッド・アズ・イット・ゲッツ~ザ・ベスト・オブ・ジーン - As Good As It Gets: The Best Of Gene
  • 2006年
    The Collection (日本盤未発売)

ライブ・アルバム

  • 2000年
    Rising For Sunset 118位 (日本盤未発売)
  • 2006年
    The John Peel Sessions (日本盤未発売)

脚注

  1. ^ マンチェスター出身のザ・スミスに対して、「まるでロンドンのカムデン・タウン出身のスミスのようだ」という意味。
  2. ^ PledgeMusic」Martin Rossiter's debut solo album 'The Defenestration Of St Martin'.
  3. ^ 「rockin' on」1995年10月号
  4. ^ Gene LA公演大成功、客席にはモリッシーの姿も」 VIBE、2000年6月7日。

外部リンク


「ジーン (バンド)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ジーン_(バンド)」の関連用語

ジーン_(バンド)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ジーン_(バンド)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジーン (バンド) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS