ジメチルスルフィド
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/14 22:41 UTC 版)
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| 物質名 | |
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| 識別情報 | |
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3D model (JSmol)
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| バイルシュタイン | 1696847 |
| ChEBI | |
| ChEMBL | |
| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.000.770 |
| EC番号 |
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| KEGG | |
| MeSH | dimethyl+sulfide |
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PubChem CID
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日化辞番号
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| UNII | |
| 国連/北米番号 | 1164 |
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |
| (CH 3) 2S |
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| モル質量 | 62.13 g·mol−1 |
| 外観 | 特徴的な臭気のある無色の液体 |
| 匂い | 不快臭、いわゆる「磯の香り」 |
| 密度 | 0.846 g·cm−3 |
| 融点 | −98 °C; −145 °F; 175 K |
| 沸点 | 35 - 41 °C; 95 - 106 °F; 308 - 314 K |
| log POW | 0.977 |
| 蒸気圧 | 53.7 kPa (at 20 °C) |
| 磁化率 | −44.9×10−6 cm3/mol |
| 屈折率 (nD) | 1.435 |
| 熱化学 | |
| 標準生成熱 ΔfH |
−63.9 ~ −66.9 kJ⋅mol−1 |
| 標準燃焼熱 ΔcH |
−2.1812 ~ −2.1818 MJ⋅mol−1 |
| 危険性 | |
| GHS表示: | |
| Danger | |
| H225, H315, H318, H335 | |
| P210, P261, P280, P305+P351+P338 | |
| 引火点 | −36 °C (−33 °F; 237 K) |
| 206 °C (403 °F; 479 K) | |
| 爆発限界 | 19.7%[要説明] |
| 安全データシート (SDS) | osha.gov |
| 関連する物質 | |
| 関連物質 | ジメチルスルホキシド ジメチルスルホン |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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ジメチルスルフィド (dimethyl sulfide, DMS) は常温で液体、水に難溶の有機硫黄化合物。スルフィドの一種である。ジメチルエーテルの酸素を硫黄で置き換えた構造。キャベツが腐った臭いとも表現される悪臭成分で、ミズゴケやプランクトンなどが作る物質でもある。海苔の香り成分としても重要である[5]。酸化することで溶剤として有用なジメチルスルホキシド (DMSO) となる。金属やルイス酸に配位して錯体を作りやすい。硫化ジメチルとも呼ばれる。また、英語 "sulfide" の発音から、ジメチルサルファイド とも呼ばれる。
悪臭
ジメチルスルフィドは悪臭成分であり、海などで感じる「潮臭さ」は海洋プランクトンが作るジメチルスルフィドによるものである。また、人間の口臭の原因となる成分の一つである。 また、この特徴を利用して、都市ガスなどを着臭している。
危険性
ジメチルスルフィドは濃度が高いと危険性の高い物質であり、以下のような危険性がある。また、危険性が高いゆえ、条例で使用禁止を定めている都道府県もある。
- 有毒性
- 濃度の高い気体は目・皮膚を刺激する。また、特に濃度が高いと酸欠が起こり、最悪の場合死亡する。
- 引火性
- 酸化剤と反応し、火炎・爆発の恐れがある。また、空気との混合気体は爆発しやすく、205 ℃ で発火する。さらに、空気より重いため床一面に広がりやすく、火がつくと遠くにまで炎が広がる恐れがある。
生産
メタノールと硫化水素を原料として、気相中、触媒存在下で反応させ生産する。製紙の副生成物であるリグニンに硫黄化合物を加え、加熱することでも生産されている[7][8]。ほとんどがジメチルスルホキシドの原料として用いられる。
その他
DMS は OHラジカルと反応し、SO2 とメタンスルホン酸に酸化され、SO2は更に硫酸(H2SO4) に酸化され硫酸は雲の生成に必要な凝結核(硫酸エアロゾル粒子)となる[9]。
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