シュメール人とは
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 10:17 UTC 版)
「シュメール人」をどのような存在と定義するか、という問題への解答は近年大きく変化している。20世紀にはシュメール人という民族の存在がしばしば想定されていたが、現代では「シュメール人」という単一のアイデンティティを持った1つの集団が存在したわけではないと考えられている。大英博物館版『古代オリエント事典』では「『シュメール』文化とは前3000年紀にメソポタミア南部で展開していた過程そのものであり、シュメール語の使用ということで定義することができる。『シュメール人』とはその文化に参加していた人々のことである」と定義されている。また、この時代の南メソポタミアで排他的にシュメール語のみが使用されていたというわけでもない。「シュメール文化」が展開する最初期から南部メソポタミアはセム語(アッカド語)とのバイリンガル地帯であり、アッカド語の名前を持つ親が子供にシュメール語の名前をつけることもあり、またその逆の例も存在する。「シュメール人」たちが単一のアイデンティティを持った1つの集団であったわけではなく、「シュメール人」という用語が現代の学術的概念であることに注意が必要である。
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