シュド・ウエスト SO.1221とは? わかりやすく解説

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シュド・ウエスト SO.1221

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 00:58 UTC 版)

SO.1221 ジン

SO.1221 ジン(Sud-Ouest S.O.1221 Djinn)は、フランスシュド・ウエスト社、後のシュド・アビアシオン社で設計、製造された2座席の軽ヘリコプターである。この機のローターはブレードの先端から噴出される圧縮空気ジェットで回転した。

開発

シュド・ウエスト社の初期のアリエル チップジェット式ヘリコプターの経験が実用的な軽ヘリコプターのSO.1221 ジンの開発に繋がった。SO.1221はアリエルと同一のチップジェット方式ではなかったが、ローターブレードの先端から圧縮空気を噴出させるという方式(冷風チップジェット 、コールドサイクル式・チップジェット機構 )を採用していた。

その推進方式は別としてSO.1221は並列2座の乗客室(キャビン) の後ろに "チュルボメカ アルトウステ" ・ターボシャフト圧縮機駆動エンジンを搭載する通常の形式のヘリコプターであった。 無トルクのローター回転機構のため、反トルク用のテールローターの必要が無い[1]ことで、この機の剥き出しの尾部ブームには、2枚の尾翼と方向舵しかなかった。

操縦者用の露出した座席を備えた剥き出しの簡単な構造の試作機(SO.1220と命名)が1953年1月2日に初飛行を行った。この機体は推進システムの可能性を実証し、2座席の試作機が5機SO.1221として製造され1953年12月16日に初飛行を行った。数日中に高度4,789 m (15,712 ft)まで到達し、このクラスの高度記録を樹立した。

フランス陸軍は評価用に22機の前量産型を製造することを督促し、前量産型の初号機は1954年9月23日に初飛行を行った。前量産型の中の3機はアメリカ陸軍が評価用にYHO-1として購入した。フランス陸軍は100機を発注し、西ドイツ陸軍は6機を購入した。フランス陸軍でSO.1221は連絡、観測、訓練、操縦士1名に外部担架を2基付けて負傷者の搬送に使用した。

178機が製造された後で1960年代半ばにSO.1221の生産は終了した。何機かは民間に売却され、薬剤タンクと散布装置を追加した農業機として利用された。

ローター部の詳細
ターボ・コンプレッサー
ローターマストとブレード

運用

フランス
フランス陸軍
ドイツ
西ドイツ陸軍
アメリカ合衆国
アメリカ陸軍
メキシコ
カメルーン

性能・主要諸元

  • 乗員:1 名
  • 乗客:2名
  • 全長:5.30 m (17 ft 412 in)
  • 全高:2.6 m (8 ft 6 14 in)
  • 主回転翼直径:11 m (36 ft 1 in)
  • 円板面積:95.03 m2 (1022.96 ft2)
  • 空虚重量:360 kg (704 lb)
  • 全備重量:800 kg (1764 lb)
  • 発動機:1 × チュルボメカ アルトウステ VI ターボコンプレッサー エンジン、 179 kW (240 hp)
  • 超過禁止速度:130 km/h (81 mph)
  • 巡航高度:
  • 航続時間:2時間15分
  • 上昇率:

[2]

関連項目

出典

  1. ^ 回転翼の主軸廻りの回転摩擦があるので、トルク対策が完全に必要無くなるわけではない。
  2. ^ The Illustrated Encyclopedia of Aircraft (Part Work 1982-1985), 1985, Orbis Publishing, Page 2975

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