シグネチャーモデルの登場とオーソドックスなデザインへの回帰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 19:58 UTC 版)
「フェンダー・ストラトキャスター」の記事における「シグネチャーモデルの登場とオーソドックスなデザインへの回帰」の解説
1980年代は、ストラトキャスター派生モデルの全盛期であった。しかし、ハードロック・ブームの終息と共に、ストラトキャスター派生モデルの人気も沈静化する。 新たにストラトキャスター分野の人気商品となったのは、フェンダー社が展開した有名ギタリストのシグネチャーモデルである。フェンダー社や日本における代理店である山野楽器は、オーソドックスなストラトキャスターを愛用している有名ギタリストのシグネチャーモデルを次々に企画し、発売していった。特に有名なものは、エリック・クラプトン・モデルとリッチー・ブラックモア・モデル(指板をえぐる加工が施されており、スキャロップド・フィンガーボードと呼ばれる)であるが、他にもジェフ・ベックやスティーヴィー・レイ・ヴォーン、ロリー・ギャラガー、エリック・ジョンソン(ロック・フュージョンのギタリスト)など、様々なシグネチャーモデルが発売された。これらのシグネチャ・モデルは、製造品質において些かという以上に評判を落としていたレギュラー・ラインのストラトキャスターとは異なり、カスタムショップと名付けられた別ラインで組み上げられることが多かったため、ストラトキャスターの上位モデルとしての役割も担うようになった。中でも、ミッド・ブースト回路が装備されたエリック・クラプトン・モデルは、既にストラトキャスター分野の定番モデルと捉えられるようになっており、ジョージ・ハリスンやピート・タウンゼントなどの著名なギタリストも愛用している。 近年は、トリビュートシリーズの中で、実際に本人が所有したギターを詳細に分析したレプリカが発売されている。スティーヴィー・レイ・ヴォーンのNO.1及びレニー、エリック・クラプトンのブラッキーなどが代表的である。 また、1987年に、ドン・レースが開発したレース・センサーピックアップの独占使用および販売のライセンスを取得し(供給元はAGI)、ライセンス終了の1996年頃まで幅広いモデルに搭載して販売していた。レギュラー・ラインである「アメリカン・スタンダード」は一時期全てレース・センサーが搭載されていたほどである。また、トレモロ・ユニットは新たに2点ナイフエッジ支持の「アメリカン・スタンダード・トレモロ」が開発され、「アメリカン・スタンダード」や「アメリカン・デラックス」に搭載されるようになった。
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