サーカス方式の採用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/13 08:57 UTC 版)
この頃アメリカ合衆国では、多くのサーカス団が鉄道で移動していた。サーカス団は自動車の輸送を多く行っており、彼らの所有する車両を無蓋車に積み込んで、自分たちの所有する客車の後ろにつないで、あるいは他の列車を仕立てて運行していた。彼らの自動車の搭載方式は、無蓋車にワイヤで固定するもので、貨車の一端に一時的なランプを設置し、貨車の間に渡し板を架け渡して、自動車は自走するか引っ張り上げられて搭載され、あるいは自走するか引き降ろされて列車から降ろされていた。こうした自動車の積み込み方式は「サーカス方式」として知られるようになった。 1960年代になると、多くの鉄道会社がサーカスの方式にヒントを得てこうした方式で自社の無蓋車に自動車を搭載するようになった。しかし1両の貨車に6台までの自動車を搭載したとしても、その上に使われない広大なスペースが残った。自然な解決法は、有蓋車に自動車を載せる時に使われていた一時的な組み立て設備を持ってきて無蓋車に取り付けることであった。この設備はラックと呼ばれ、自動車を搭載できる場所を2段造った。さらに完全なものとするために、両端に隣の車両に渡るための渡し板が設置され、積み降ろしに際して列車全長に渡って自動車が自走できるようにされた。このように無蓋車を設計することにより、有蓋車のラックに積み込み積み降ろすための特別な装備を用意する必要はなくなった。無蓋車に積載するために必要なのは適切な高さに設計されたランプのみである。
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