サリエルの任務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 15:08 UTC 版)
エノク書によれば、サリエルの任務の一つは霊魂を罪にいざなう人の子らの霊魂の看守である。人間がその魂を汚すことを防ぐという役目から死を司る天使ともされる。一説には大鎌を持ち、死者の魂を狩ると言われている。また、悪の道に走った天使の罪を量り、堕天させる役目を持ち、時にはこれまで堕天させた仲間を想い、血の涙を流している。 もう一つの役目が月の支配であり、これが堕天使と見なされる理由である。月は古代人にとって非常な霊力を持つものだった。日中に頭上で輝く太陽に比べて、暗い夜を照らしてくれるのは月であり、しかも満ち欠けという不可思議な性質がある。これは古代の人々にすれば創造、成長、衰退、破壊という全ての生物の宿命を象徹しているようであった。しかも、月は潮の干満を支配することから、生死は月の霊力によって支配されていると考えられた(日本人の間でも、人が生まれるのは満潮、死ぬのは潮が引く時とする俗信が未だ残されている)。よって古代人たちは、人間の霊魂は月に保管されており、誕生するときは月から霊魂が送り込まれ、肉体が滅びてしまうと、その霊魂は月に帰っていくと思っていた。
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