サナギタケ
和名:サナギタケ |
学名:Cordyceps militaris |
分布:日本 中国 アジア アメリカ ヨーロッパ |
写真(上):生えている状態 |
写真(下):掘り出した状態 |
説明 チョウやガの蛹から生じる冬虫夏草類の一種。日本では夏に発生する。子実体は棍棒状でオレンジ色,長さ約5cm幅4mmほどになる。とくに,ブナの葉を食べて育つ,ブナアオシャチホコというガの大発生時の翌年には,そのガの蛹の9割以上がサナギタケの感染を受け,サナギタケの大発生が起きることが知られている。とくに東北地方のブナ林では1平方メートルあたり33頭の蛹からサナギタケが生じていたという記録がある。そのため,この菌は,ブナアオシャチホコが増えすぎたときに調節をする天敵としての役割が大きいと考えられる。ブナアオシャチホコ以外のガの蛹からも生じる。 |
サナギタケ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/11 22:35 UTC 版)
サナギタケ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Cordyceps militaris (Vuill.) Fr. |
サナギタケ | |
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子実層は滑らか |
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識別可能な傘は無し |
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子実層への付着は 変則的か無し |
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柄には何も無い |
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生態は寄生 |
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もしくは適さない |
サナギタケ(蛹茸、学名: Cordyceps militaris〈コルディセプス・ミリタリス〉)はノムシタケ属に属する菌類の一種。
概要
サナギタケはチョウ目の幼虫や蛹から生じる冬虫夏草類(昆虫寄生菌)の一種[1]。子実体はオレンジ色の棍棒状である。発生時期は地域によって違いがあり、初夏から秋にかけて発生する。サナギタケは北冬虫夏草、北虫草などの別名を持っている[2][3]。

本種には薬効成分のあるコルジセピンという成分を含んでおり、漢方薬として利用される[4]。
高級中華料理食材や、漢方薬の原料として、カイコやヨトウガの蛹などで生産技術の開発が行われている[5][6]。
脚注
- ^ “森林生物データベース 00067 サナギタケ”. 森林総合研究所. 2024年5月6日閲覧。
- ^ “冬虫夏草とは何なのか? | にちはら総合研究所”. にちはら総合研究所. 2024年5月18日閲覧。
- ^ “サナギタケとは?冬虫夏草と同じ?”. ダイケンバイオメディカル (2024年5月10日). 2024年5月18日閲覧。
- ^ 東野 et al. 2013, p. 51.
- ^ “冬虫夏草類の人工生産”. 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波研究所. 2011年10月20日閲覧。
- ^ “冬虫夏草類の人工生産 | 研究成果詳細”. アグリサーチャー. 2024年5月18日閲覧。
参考文献
- 盛口満、安田守『冬虫夏草ハンドブック』文一総合出版、2009年6月6日。ISBN 978-4-8299-0143-4。
- 東野正行、堀江宏、伊藤正勝、田中恵子、福田泰樹、西田升三、村田和也、松田秀秋「サナギタケ培養液のがん細胞増殖抑制作用に関する研究」『日本補完代替医療学会誌』第10巻第1号、日本補完代替医療学会、2013年3月、51-57頁、 CRID 1390282680195819904、doi:10.1625/jcam.10.51、 NAID 130003365076。
関連項目
サナギタケと同じ種類の言葉
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