サイズと画材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 09:47 UTC 版)
『アッツ島玉砕』は縦193.5センチメートル、横259.5センチメートル、人物画における200号サイズの油彩画である。戦争画を描くようになるまで、壁画を除いて藤田は150号を超える絵画を描くことはなかったが、軍からの要請を受けて描く戦争画は、公開、保存の観点から基本的なサイズが定められており、油絵の場合、人物画200号サイズとするとの資料が残っている。キャンパスの材料である麻布は軍需品の一つとされたため、戦時中、個人では質の良い大型のサイズのものは入手が困難になったが、藤田らは軍から規定の人物画200号サイズのキャンバスが配給されていたものと考えられる。 戦時中の物資不足の影響が顕著であったのが絵具であり、カーマイン、コバルトブルーなどは特に入手が困難となった。藤田が『アッツ島玉砕』以降、第二次世界大戦後期に描いた戦争画は茶系統、グレー系統を中心としたモノクローム風の色彩となっており、これは藤田に限らず他の戦争画家にも当てはまる特徴である。理由としては当時、入手可能な品質の高い絵具が茶やグレー系統に限られたためであると考えられている。
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