コンペンセイティング・システム(自動補正装置)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 07:26 UTC 版)
「金管楽器」の記事における「コンペンセイティング・システム(自動補正装置)」の解説
4つのバルブを持つ楽器は通常次のように設定されている。 1番:全音下がる 2番:半音下がる 3番:全音半下がる 4番:2音半(完全4度)下がる しかしながら、4番とほかのバルブの組み合わせでは、運指上で考えられる音よりも音程が高くなってしまう。これは低い音になるに比例し、音を下げるために必要な管長が徐々に長くなるためである。 この解決策として、1874年にブレイクリーがユーフォニアムに「コンペンセイティング・システム」を導入した。これは、4番ピストンに連動する補正管を各ピストンに増設することで、不足分の距離を確保するものである。これにより、4番ピストンが含まれる運指には空気が自動的に補正管を通る構造となるため、従来は正確な音程で吹奏が困難であったペダルトーンのすぐ上の音域を、通常の運指で出すことができるようになった。このシステムによって、ユーフォニアムはピストン楽器という機動性の高さに加え、幅広い実用音域をカバーできる特性を持つ金管楽器となったのである。 なお、このコンペンセイティング・システムと同じ構造をもつフレンチホルンは「セミダブル・ホルン」と呼ばれる。ユーフォニアムやチューバのカタログにも「コンペンセイティング(B♭/Fセミダブル)」と両呼称を併記している例がある。
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