コブシモドキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 10:21 UTC 版)
4b. コブシモドキ 4c. コブシモドキの花 コブシの近縁種として、コブシモドキ(学名:Magnolia pseudokobus S.Abe & Akasawa, 1954)が記載されている。記載のもととなったコブシモドキの個体は高さ 1 m ほどの低木で株から出た枝が地面を這って土に接した部分から根が出ており(そのため「ハイコブシ」の別名もある)、葉がコブシより若干大きめで長さ20 cm、幅8 - 10 cm以上、開花期が4月中旬とコブシよりやや遅く花が大きい(直径12 - 15 cm)(右図4c)。また3倍体であり、種子を作らない。コブシは四国には分布していないが、この個体は1948年に阿部近一と赤澤時之によって徳島県相生町で発見され、この1個体のみが知られていたが、現在ではこの個体は存在せず、徳島県の相生森林美術館をはじめとした数箇所で当時の株から挿し木でクローン栽培したものが現地外保存されている(右図4b)。このように栽培されたものは、高さ 15 m、胸高直径 15 cm の直立高木となる。環境省のレッドデータブックでは、コブシモドキは野生絶滅(EW)、徳島県のレッドデータブックでは絶滅と評価されている。 核、葉緑体DNAの解析からは、コブシモドキはごく最近になってコブシから生じた3倍体であることが示され、植栽個体からの逸出に由来する可能性が高いとされている。そのため、コブシモドキを独立種とはせず、コブシの品種(Magnolia kobus f. pseudokobus)とすることが提唱されている。
※この「コブシモドキ」の解説は、「コブシ」の解説の一部です。
「コブシモドキ」を含む「コブシ」の記事については、「コブシ」の概要を参照ください。
- コブシモドキのページへのリンク