グレゴリオ暦からの改暦論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 09:46 UTC 版)
現在世界の多くの地域において採用されている太陽暦の1つであるグレゴリオ暦は精巧な暦とされているが、その基準であるべき正確な太陽年と完全には同一ではなく、3224年間につき1日のずれが生じるとされる(なお、日本最後の太陽太陰暦である天保暦の方が太陽年との誤差は小さいが、暦法の複雑さと不定時法の採用から実用性が高いとは言いがたい)。その問題点を掲げると以下のようになる。 グレゴリオ暦の1年の平均は365.24250日で、平均太陽年 (365.24219日)より少し長い(前述)。 年始の位置(1月1日の決定)に天文学上も実際の社会・生活(正月関連儀式を除く)とは無関係な決定が行われている。 月の大小が不安定である(例えば、日本のかつての太陽太陰暦の場合は29日と30日の2種類であるが、グレゴリオ暦は28日から31日まで4種類ある)。 グレゴリオ暦と曜日の配置の関係が毎年変わる(曜日が次の年には平年では1つ、閏年では2つ移る)。 グレゴリオ暦がカトリック教会を中心に決められたために、他の宗教・宗派の信者の中には心理的な抵抗感を持つ者がいる(現代ではほとんど問題視されないが、プロテスタント教会や東方正教会の国々で導入が遅れたのはその影響があるとされている)。 そのために、グレゴリオ暦を修正あるいは改暦してこれらの問題点を解消すべきとの意見が古くから行われ、実際にフランス革命暦やソビエト連邦暦で施行されて失敗に終わった事例もある。
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