グリーンピース・ジャパンによる捕鯨関係者の告発と不起訴
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「グリーンピース (NGO)」の記事における「グリーンピース・ジャパンによる捕鯨関係者の告発と不起訴」の解説
グリーンピース・ジャパンは、日本の調査捕鯨船「日新丸」の乗組員が調査捕鯨で捕獲したクジラ肉(鯨肉)を大量に自宅に送っていたとして、2008年5月15日に業務上横領の疑いで証拠品である鯨肉および梱包箱とともに告発状を東京地方検察庁へ提出した。同時に、農林水産省などに対しては、日本鯨類研究所による調査捕鯨活動の停止、および水産庁からの補助金の支給停止を求めた。これを受けて水産庁は実態を調査する方針であることを明らかにした。 グリーンピース・ジャパンは、2008年5月8日付けで水産庁に対して「船員が鯨肉を土産として持ち帰ることが基本的にないのかと」と問い合わせをした結果、水産庁遠洋課課長・成子隆英から「ないです。極めて(流通が)限られていますから」と回答されたと主張している。また、グリーンピース・ジャパンは、「船員が無断で畝須(うねす)などを塩漬け処理し冷凍せずに西濃運輸の宅配便で自宅に配送されている」「無断で持ち帰るものとは別に、土産や船員向けに販売される鯨肉がある」という元船員とされる人物の証言を紹介している。 またグリーンピース・ジャパンは、告発対象となった2008年4月15日の日新丸帰港に際しての乗組員私物手荷物発送について、「合計90箱程度」のうち「鯨の解体・鯨肉製造に携わる乗組員12人から、最低でも47箱」を確認し、「この全てが鯨肉であったとすると、合計1.1tになる」としている。グリーンピース・ジャパンは5月16日記者会見を開いて、「告発の証拠品として提出した鯨肉(畝須)は23.5kgで塩漬け処理されて常温保存の状態」だったと主張し、この鯨肉が「『数kg程度の冷凍品である土産』ではない鯨肉」であり横領されたものであると主張した。 2008年6月20日、東京地検は「グリーンピース・ジャパン」から業務上横領容疑で告発されていた「日新丸」乗組員12人全員を不起訴処分(嫌疑なし)とした(同日には窃盗容疑でグリーンピース・ジャパンメンバー2名が逮捕され、本部が家宅捜索されている(下記参照))。これに対してグリーンピース側は上記不起訴処分を不服として検察審査会を申し立てていたが、2010年4月22日に東京第一検察審査会が「不起訴は相当」とする議決を下した。
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