グリーンビル_(イリノイ州)とは? わかりやすく解説

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グリーンビル (イリノイ州)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 06:44 UTC 版)

グリーンビル
Greenville
セカンドストリートの街並み
標語: 
"Arms Wide Open"
ボンド郡内の位置
アメリカ合衆国におけるイリノイ州の位置
座標:北緯38度53分 西経89度24分 / 北緯38.883度 西経89.400度 / 38.883; -89.400
アメリカ合衆国
イリノイ州
ボンド郡
創設年 1815年
町昇格 1855年
市昇格 1872年
政府
 • 市長 Alan Gaffner
面積
[1]
 • 合計 6.27 mi2 (16.2 km2)
 • 陸地 6.27 mi2 (16.2 km2)
 • 水域 0.0 mi2 (0 km2)  0%
標高
500 ft (200 m)
人口
(2010)
 • 合計 7,000人
 • 推計
(2018)[2]
6,453人
 • 密度 1,100人/mi2 (430人/km2)
等時帯 UTC-6 (中部標準時)
 • 夏時間 UTC-5 (中部夏時間)
ZIPコード
62246
市外局番 618, 664, 690
FIPSコード 17-31589
ウェブサイト www.greenvilleillinois.com
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グリーンビル(Grennville)は、アメリカ合衆国イリノイ州の都市。ボンド郡郡庁所在地である[3]。2010年の国勢調査時点での人口は7,000人[4]セントルイスから東へ約80kmほど進んだ位置にあり、セントルイス都市圏に含まれる[5]

グリーンビルは2015年に創設200周年を迎えたイリノイ州最古の都市の一つである[6]グリーンビル大学やアメリカ農業遺産博物館などがある。また、ネヴコ・スコアボードという世界最大のスコアボード製造業者やデムーリン・ブラザーズという世界最大かつ最古のバンド・ユニフォーム製造業者が位置している[7][8]

歴史

19世紀

1815年、ジョージ・ダビットソンが小さな川を見下ろせる崖の上の土地160エーカーを取得したのがグリーンビルの始まりである。当時、この土地はまだイリノイ準州マディソン郡に属していた。ダビットソンはこの地に酒屋を開き、翌年には土地の区画販売を開始した[9]。また、1819年には連邦政府がこの地に郵便局を設置。当初は村として発足したが、1855年に町(Town)、1872年には市(City)に昇格した。名前の由来を示すものはほとんど残されていないが、一説ではノースカロライナ州グリーンビルと同じようにアメリカ独立戦争の将軍ナサニエル・グリーンから取られたのではないかと考えられている[10]。また、初期の入植者トーマス・ホワイトが「ここは非常に緑豊かで良い土地だ。」と言ったからという説や、この町の最初の承認であるグリーン・P・ライスから取ったという説も存在する[11]

1821年、従来の郡庁所在地ペリービルがファイエット郡に合併するのに伴い、グリーンビルがボンド郡の新たな郡庁所在地となった。その際ダビットソンは郡庁に土地を提供し、その地に郡庁舎が設置され現在に至る[9]

1840年代にはボンド郡の住民が秘密結社地下鉄道に参加し、奴隷開放のために活動しており、ミズーリ州から逃れてきた奴隷が辿り着いていた。中でもジョン・リーパーは自らの製粉業の影に隠して地下鉄道の活動を行なっていた[12]

1855年グリーンビル大学の前身となる女子大学、アルマリア・カレッジがこの地に設立された。同大学の歴史に詳しいドナルド・ジョーダール教授はアルマリア・カレッジを「西部に拡大した最初期の女性教育機関であり、女性参政権ウーマンリブ運動の背景になった。」と評している。実際、ボンド郡で女性参政権が認められたのは1914年であった[11]

1858年には上院議員選挙の際にエイブラハム・リンカーンスティーブン・ダグラスがグリーンビルを訪れ、演説を行った[11]

20世紀

1915年11月21日には自由の鐘サンフランシスコで開催されたサンフランシスコ万博からペンシルベニア州に戻る途上でグリーンビルを通過した[13] [14]

グリーンビル公共図書館はカーネギー図書館の一つとして設立され、 全米国家歴史登録財にも登録されている。また、グリーンビル・カレッジのホーグホールも国家登録簿に掲載されていたが、2008年に解体された[13]

1934年4月18日、世界恐慌により500人の抗議者がイリノイ州緊急救援委員会に行進し、州政府および連邦政府からの緊急物資の配達についての陳情を提出した[13]

イリノイ州出身の大統領ロナルド・レーガンは1980年の大統領選挙の際にグリーンビルを訪れ、郡庁舎前で演説を行った[15]。また、バラク・オバマも2004年にグリーンビルにあるボンド郡議会の民主党議員を訪問している。

地理

グリーンビルはボンド郡の 北緯38度53分 西経89度24分 / 北緯38.883度 西経89.400度 / 38.883; -89.400の位置にある[16]アメリカ国道40号線と州間高速道路70号線が市街地の南を通っており、道なりに西へ80km進むとセントルイス、東へ30km進むとヴァンダリアへ到着する。

また、近くには州都スプリングフィールドとイリノイ州南部を南北に結ぶイリノイ州道127号線が通っている。

また、カンバーランド道路もグリーンビルを通っており、グリーンビルの東でイリノイ州道140号線、西でアメリカ国道140号線と接続している。この道路計画では当初グリーンビルとセントルイスを結ぶ予定であった。しかし、イリノイ州議会は州内の都市をミシシッピ川と接続させるためにオールトン経由の案を推していた。1840年、グリーンビルの東方30kmにあるヴァンダリアまで道路が開通し連邦政府の建設資金が底をついた際、州議会は資金の拠出を拒否した。オールトン延伸案はその後も南北戦争までイリノイ州の一大争点であった[17]

2010年国勢調査によると、グリーンビルの総面積は6.19平方マイル (16.03 km2) である[18]

人口動静

人口推移
人口
1880 1,886
1890 1,868 −1.0%
1900 2,504 34.0%
1910 3,178 26.9%
1920 3,091 −2.7%
1930 3,233 4.6%
1940 3,391 4.9%
1950 4,069 20.0%
1960 4,569 12.3%
1970 4,631 1.4%
1980 5,271 13.8%
1990 4,806 −8.8%
2000 6,955 44.7%
2010 7,000 0.6%
2018(推計) 6,453 [2] −7.8%
アメリカ合衆国国勢調査[19]

以下は、2000年国勢調査における人口統計データである[20]

基礎データ

  • 人口:6,955人
  • 世帯数:2,019世帯
  • 家族数:1,280家族
  • 人口密度:516.4人/km²
  • 住居数:2,171軒
  • 住居密度:161.2軒/km²

人種別人口構成

世帯と家族

  • 18歳未満の子供がいる: 30.0%
  • 結婚・同居している世帯: 50.7%
  • 未婚・離婚女性が世帯主である世帯: 10.0%
  • 非家族世帯: 36.6%
  • 単身世帯: 33.4%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 17.7%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.28人
    • 家族: 2.90人

年齢別人口構成

  • 18歳未満:15.9%
  • 18歳-24歳:18.1%
  • 25歳-44歳:32.7%
  • 45歳-64歳:18.7%
  • 65歳以上:14.6%
  • 年齢の中央値:34歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 143.6
    • 18歳以上: 152.5

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 35,650米ドル
    • 家族: 45,557米ドル
    • 性別
      • 男性: 26,10米ドル
      • 女性: 20,889米ドル
  • 人口1人あたり収入: 17,326米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 8.8%
    • 対家族数: 11.8%
    • 18歳未満: 14.0%
    • 65歳以上: 9.9%

政治

グリーンビル初代市長であるジェームズ・ブラッドフォードは1873年に選出された。彼はブラッドフォード銀行のオーナーであり、のちにイリノイ州議員に選出された。

教育

1992年自由メソジスト教会が運営する私立グリーンビル大学が創設100周年を迎え、NBCの番組トゥデイで報道された。同大学は2006年にもトゥディに取り上げられ、急成長するキリスト教系大学の一つとして紹介された[21]

文化

37年にわたり、グリーンビルではクリスチャン音楽祭「アガペ・ミュージック・フェスティバル英語版」が毎年開催されている。この音楽祭はグリーンビル大学の学生により運営されている[22]。この音楽祭では数多くの有名クリスチャンバンドが演奏しており、2013年にはメインアクトとしてアウル・シティーが出演した。同大学は2014年ミズーリ州セントチャールズにあるファミリー・アリーナへ会場を移転することを発表したが、チケット販売の不調に開催1週間前に中止が発表された[23][24]。その後、運営団体が近年中に元々の開催場所であるボンド郡フェアグラウンドへ開催場所を戻すことを発表した。また、グリーンビル空港はかつて世界パワーパラシュート英語版選手権の会場として毎年使用されていた[25]

レクリエーション

グリーンビル空港英語版がダウンタウンの5km南に位置しており、スカイダイビングの拠点として利用されている[26]

面積775エーカーの人造湖、ガバナー・ボンド・レイクがグリーンビル近郊に位置する。1960年代に飲料水の確保を目的としてつくられたこの湖は現在では釣りやボート、その他のレクリエーションで利用されている[27]。また、グリーンビルから17マイル離れた場所にはイリノイ州最大の人工湖であるカーライル湖英語版がある[28]

名所

グリーンビルには、壁画やアンティークショップが並ぶ昔ながらの街並みが存在し、市はダウンタウンの壁画修復プロジェクトを実施している[29]

1858年リンカーンダグラス上院議員選挙中に演説したことを記念する石碑が設置されている[30]

交通

グリーンビル空港が市街地から3マイル離れた場所にある。

また、州間高速道路70号線、アメリカ国道40号線、イリノイ州道127号・140号線がグリーンビルを通っている。

ボンド郡交通局がバスを運行しており、グリーンビルにも複数のバス停が存在する。

著名人

脚注

  1. ^ 2016 U.S. Gazetteer Files”. United States Census Bureau. 2017年6月29日閲覧。
  2. ^ a b Population and Housing Unit Estimates”. 2019年9月1日閲覧。
  3. ^ Find a County”. National Association of Counties. 2011年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月7日閲覧。
  4. ^ Geographic Identifiers: 2010 Demographic Profile Data (G001): Greenville city, Illinois”. U.S. Census Bureau, American Factfinder. 2020年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月8日閲覧。
  5. ^ Archived copy”. 2013年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月29日閲覧。
  6. ^ Greenville, Illinois Bicentennial”. Greenville Bicentennial. 2014年2月16日閲覧。
  7. ^ History”. Nevco. 2014年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月16日閲覧。
  8. ^ DeMoulin”. DeMoulin Brothers. 2014年2月16日閲覧。
  9. ^ a b Carson, Will (1905). Historical Souvenir of Greenville, Illinois. Effingham, IL: LeCrone Press. https://archive.org/stream/historicalsouven00cars/historicalsouven00cars_djvu.txt 
  10. ^ Gannett, Henry (1905). The Origin of Certain Place Names in the United States. Govt. Print. Off.. pp. 144. https://archive.org/details/bub_gb_9V1IAAAAMAAJ 
  11. ^ a b c Allan H. Keith, Historical Stories: About Greenville and Bond County, IL. Consulted on August 15, 2007.
  12. ^ “Several Stops On 'Underground Railroad' In Bond County”. Greenville Advocate. (2008年11月11日) 
  13. ^ a b c Allan H. Keith, Historical Stories: About Greenville and Bond County, IL. Consulted on August 15, 2007.
  14. ^ “Liberty Bell Attracts Crowd in Greenville During 1915 Stop”. Greenville Advocate. (2007年7月3日) 
  15. ^ “Our Readers Speak”. Greenville Advocate. (2008年11月18日) 
  16. ^ US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990”. United States Census Bureau (2011年2月12日). 2011年4月23日閲覧。
  17. ^ Illinois (2018年4月19日). “Laws of the State of Illinois: Passed by the ... General Assembly at Their ... Session”. Robert Blackwell. 2018年4月19日閲覧。
  18. ^ G001 - Geographic Identifiers - 2010 Census Summary File 1”. United States Census Bureau. 2020年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月27日閲覧。
  19. ^ Census of Population and Housing”. Census.gov. 2015年6月4日閲覧。
  20. ^ U.S. Census website”. アメリカ合衆国国勢調査局. 2008年1月31日閲覧。
  21. ^ “G.C. Enrollment Once Again at Record Level”. Greenville Advocate. (2007年8月30日) 
  22. ^ “At AgapeFest, students learn about the music business while sharing their faith”. State Journal-Register. (2008年5月18日). http://www.sj-r.com/article/20080508/News/305089886 2014年7月27日閲覧。 
  23. ^ Greenville College Announces New AgapeFest Location and Date”. Greenville College (2013年10月13日). 2014年7月27日閲覧。
  24. ^ AgapeFest Cancels April 26 Date”. Joy FM. 2014年7月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月27日閲覧。
  25. ^ World Powered Parachute Championship Video”. Tim Bayer Productions. 2014年7月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月27日閲覧。
  26. ^ Gateway Skydiving Center”. Gateway Skydiving Center. 2014年7月27日閲覧。
  27. ^ Governor Bond Lake”. City of Greenville. 2014年7月27日閲覧。
  28. ^ Carlyle Lake Bike Trail”. Rails to Trails Conservancy. 2014年7月27日閲覧。
  29. ^ “Coca Cola Mural on Wall Real Estate Building Restored”. WGEL Radio. (2014年7月22日). http://www.wgel.com/2014/07/coca-cola-mural-on-wall-real-estate-building-restored/ 2014年7月27日閲覧。 [リンク切れ]
  30. ^ Allan H. Keith, Historical Stories: About Greenville and Bond County, IL. Consulted on August 15, 2007.

外部リンク


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