グリフィンビーカーとベルセリウスビーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 08:41 UTC 版)
「ビーカー」の記事における「グリフィンビーカーとベルセリウスビーカー」の解説
現在用いられているような注ぎ口と目盛りがあるビーカー(グリフィンビーカー)を考案して販売したのは、イギリスの化学者および出版業者であるジョン・ジョセフ・グリフィン(英語版)(1802–1877)である。グリフィンは化学を庶民にもたらすことに興味を持ち、化学に関する小冊子を出版して広く人気を得た。最終的にはグリフィンビーカーを含む様々な科学用品の販売を行った。 一方、トールビーカーの別名であるベルセリウスビーカーは、スウェーデンの化学者で、元素記号や一般的な化学用語を提唱したことで有名なイェンス・ベルセリウス(1779-1848)に由来すると考えられている。しかし、彼が1830年までに遺した全8巻の教科書には、多くの分析装置が詳しく紹介されているにも関わらず、「ベルセリウスビーカー」と呼べるような背の高いビーカーに関する記述は見つからない。グリフィンの経営する実験用品店のカタログにおいては、この名称が使用されており、ベルセリウスビーカーは「背高型」ではなく「狭型」、グリフィンビーカーを「短型」ではなく「幅広型」と表現している。1850年以降からこの名称が使われていることから、この名称はグリフィンによって、幅の狭いビーカーは旧来のものだとして、自分の幅の広いビーカーと差別化するために名付けられた可能性がある。(実は過去に、グリフィンはベルセリウスの物質の命名法を批判しており、学術的地位に就いていないながら、体系的な改善案を本に著した。しかし、学会での反応は冷ややかなものであり、ベルセリウスからも無視されるという経緯があった)
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