クーマエのシビュラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 16:40 UTC 版)
「en:Cumaean Sibyl」も参照 クーマエのシビュラはローマ神話に登場する女性で、アポローンから予言の才と1000年の命を与えられたが、若さを保てるようにしてもらうことを忘れたため、年老いて萎んでいったとされる。 ウェルギリウスには、アエネーアースの冥界への旅路に同伴した女性として描かれた。ほかに、ウェルギリウスは『牧歌』において、クーマエのシビュラの予言として神童と黄金時代の到来を歌い上げた。この予言は、古代から中世のキリスト教社会では、キリストの降誕を予言したものとして広く知られた。 さらに、ハリカルナッソスのディオニュシオス、ウェルギリウス、ラクタンティウスなどは、『シビュラの書』をローマに持ち込んだのがクーマエのシビュラだったとして、以下のように伝えている。 クーマエのシビュラがローマ王タルクィニウス(タルクィニウス・プリスクスないしタルクィニウス・スペルブス)に、9巻本の託宣を900ピリッポスで売ろうと持ちかけた。タルクィニウスがその法外な高さを理由に断ると、彼女は3巻分を焼き捨てて残りを再び900ピリッポスで売ると言い出した。それも断られると彼女はさらに3巻分を焼き、残りを900ピリッポスで売ると言った。王はその提案に興味を持ち(あるいは動転のあまりに)、それを受け入れ3巻分を言い値で買い取った。
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