クローズアウト・ネッティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/10 09:06 UTC 版)
「ISDAマスター契約」の記事における「クローズアウト・ネッティング」の解説
ISDAマスター契約のセクション6は、一方当事者について期限の利益喪失事由または解約事由が発生した場合に他方当事者に取引を早期に解約することができる旨を規定し、かつ、当該取引の解約時の価額を算出しネットすることで両当事者間の単一の支払額とする(クローズアウト・ネッティングないし一括清算)ための手続を定める。 これらの規定の適用の仕方については、当事者がスケジュールにおいて選ぶべき2つのポイントがある。 ネット後の解約時の価額が責任のある当事者に対して支払うべきものとなった場合に、責任を負わない当事者が支払う必要があるか否か。これが、支払に係る「ファースト・メソッド」(First Method)(責任のない当事者は支払う必要がないもの)と「セカンド・メソッド」(責任のない当事者も支払う必要があるもの)の選択である。 取引の解約時の価額を、代替取引についてのマーケットのディーラーからの見積りによって決定するか、または、責任のない当事者が早期解約による利益もしくは損失を算出することによって決定するか。これが、支払に係る「マーケット・クォーテーション」(Market Quotation)または「損失」(Loss)の選択である。 上記が適用があるのは1992年ISDAマスター契約のみである。2002年マスター契約はファースト・メソッドを廃止しセカンド・メソッドに一本化した。実際、ファースト・メソッドは非常にまれにしか選ばれなかった。なぜなら、これを選んだ場合には、関連する金融機関は、その(ネットではなく)グロスで当該マスター契約に基づくエクスポージャーを報告する必要があったためである。さらに、2002年マスター契約はマーケット・クォーテーションとロスの区別を単一の概念に置き換えた。「クローズアウト金額」(Close-out Amount)である。これは解約取引(Terminated Transaction)ごとに決定されるものだが、大まかにいえば、期限前解約日(Early Termination Date)時点で同等の取引を締結した場合に生じる利益または損失のことである。クローズアウト金額と未払金額(Unpaid Amount)の総額が「期限前解約金額」(Early Termination Amount)である。これは、解約取引に関して一方当事者から他方当事者に支払われるネットの金額である。
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クローズアウト・ネッティング
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「ISDAマスター契約」の記事における「クローズアウト・ネッティング」の解説
前述のとおり、期限前解約の際にはクローズアウト・ネッティングによって単一の期限前解約金額に一本化されることになる。ただし、当事者の一方が倒産した場合などに法域によってはこれが有効と認められない可能性があることに留意を要する。このため、そのような場合でもクローズアウト・ネッティングを有効とすべく、法域によっては倒産法上特別の規定が置かれていることがある(例えば、日本の場合は、破産法58条5項や金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律3条など。)。
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