クリベッジとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > クリベッジの意味・解説 

クリベッジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/19 14:28 UTC 版)

120の穴をもつクリベッジ用スコアボード

クリベッジ (Cribbage) は、トランプゲームの1つ。

遊び方・ルール

通常は2人で遊ぶ。トランプはジョーカーを除いた52枚を使用する。

カードのスート間に強弱はない。Aは常に1と扱われ、Kより高位になることはない。数字の合計などを求めるときは、Aは1、2~9はその数、10と絵札は10として扱う。

このゲームの最終目的は、合計で121点以上の得点を得ることである。ゲームは以下の手順で行われるが、誰かが121点以上の得点を得た時点で終了となり、プレイや手役の得点計算の途中でもゲームは打ち切られる。

  1. お互いに札を引き、大きな数を引いた方が親になる。
  2. 親がカードをお互いに6枚ずつ配る。残りのカードは山札とする。
  3. 各プレイヤーは手札から2枚のカードを裏向きに捨てる。捨てられたカードは「クリブ」と呼ばれ、親のものとなる。クリブはプレイには直接使われず、クリブの得点を計算する時まで表向きにしない。
  4. 子は山札をカットし、親は切られた山札の一番上のカードをめくる。めくられたカードは「スターター」と呼ばれ、プレイには直接使われないが、プレイ終了後の手役を計算するときに重要となる。なお、スターターでJが出た場合、親に即座に2点が入る(ヒズ・ヒール)。
  5. 子から交互に手札を1枚ずつ自分の前に出す。このとき、出されたカードの合計を宣言する。この合計が31を超えるようなカードは出すことができない。また、出したカードで役(後述)ができる場合、獲得点数も宣言する。
    • 例:最初に子が5を出したとき「5」と宣言する。次に親が6を出したときは「11」と宣言する。
  6. どの手札を出しても31を超える場合、「ゴー」と宣言する。「ゴー」を宣言された場合、残ったプレイヤーは自分が出せなくなるまでカードを出す。
  7. 合計が31になった場合、最後にカードを出したプレイヤーは2点を得る(31(サーティーワン))。31に達する前に誰もカードを出せなくなった場合、最後にカードを出したプレイヤーが1点を得る(ラストカード)。誰かに手札が残っている場合、合計を0に戻し、最後にカードを出したプレイヤーの相手の方から5.~7.のプレイを繰り返す。
  8. 全員の手札がなくなったら、手札の役(後述)を集計する。その後クリブを公開し、その点数を計算する。クリブの点数は親が得る。
  9. 親を交代し、2.から繰り返す。

プレイ中の役

以下はカードを場に出したときに得られる役である。

15(フィフティーン)
場のカードの合計が15になったとき、カードを出したプレイヤーは2点を得る。
ラン
場のカードで3枚以上の連続する組ができたとき、その枚数に等しい点数を得る。このときスートは問わない。
必ずしも数字が順番につながっている必要はなく、例えば4、3と出された後に5を出してもランとなる。
ペア
直前に出たカードと同じ数字のカードを出したとき、そのプレイヤーは2点を得る。
ペアの直後に更に同じカードを出した場合、6点を得る(ペア・ロイヤル)。
ペア・ロイヤルの直後に更に同じカードを出した場合、12点を得る(ダブル・ペア・ロイヤル)。

手札の役

  1. 子の手役(子の手札4枚とスターターの組み合わせ)
  2. 親の手役(親の手札4枚とスターターの組み合わせ)
  3. クリブの手役(クリブ4枚とスターターの組み合わせ)

の順に役を数えて得点を加える。

以下は手札の組み合わせによって得られる役である。同じ役が複数の組み合わせで成立する場合、全ての組み合わせに対して得点を得ることができる。

15(フィフティーン)
合計が15になる組がある場合、1組につき2点を得る。
ラン
3枚以上の連続する数字の組がある場合、組の枚数分の点数を得る。スートは問わない。
5 6 6 7 のような場合、5 6 75 6 7 の2組があるとみなされ、得点は3×2=6点となる。5 6 7 8 の場合は 5 6 76 7 8 の2組とはみなさず、得点は4点となる。
ペア
同じ数のカードが2枚あるとき2点を得る。3枚の時には6点、4枚の時には12点を得る。
フラッシュ
スターターを除く4枚のカードが同じスートだった場合、4点を得る。スターターも同じスートだった場合、更に1点を得る。ただし、クリブにおいては、スターターを含めた5枚が同じスートのときのみ得点となる。
ヒズ・ノブ
スターターと同じスートのJを持っている場合、1点を得る。

歴史

ジョン・オーブリーによれば、17世紀初頭にイギリスの詩人ジョン・サックリング(en)によって "noddy" というゲームを基に考えられた。"noddy" は既に忘れられているが、クリベッジは英語圏における一般的なゲームとして生き残っている[1]

クリベッジはアメリカの潜水艦において、「公式な」娯楽として特別な位置を占めている。アメリカの太平洋艦隊で最も古い現役の潜水艦の司令官室には、第二次世界大戦時の司令官であるリチャード・オカーンも使用していたクリベッジボードが置かれている。このボードは、最も古い潜水艦が退役するときに次に古い現役の潜水艦(即ち新たに最古参となる潜水艦)に引き継がれる[2]

クリベッジボード

クリベッジは点数の変動が激しいため、点数を記録するための専用のボードが存在している。

このボードには 120 の穴が開いており、対応する場所にペグを立てることによって点数を表す。

一部のボードには点数とは別に勝ったゲーム数を記録する場所があるものもある。

参考文献

  1. ^ Aubrey, John (1898). Andrew Clark. ed. Brief Lives chiefly of Contemporaries set down John Aubrey between the Years 1669 and 1696, Volume II. Clarendon Press. p. 245 
  2. ^ “USS Los Angeles Embarks With a Piece of Submarine History”. US Navy. (2007年5月16日). http://www.navy.mil/search/display.asp?story_id=29429 2013年2月10日閲覧。 

外部リンク


「クリベッジ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「クリベッジ」の関連用語

クリベッジのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



クリベッジのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのクリベッジ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS