ガーラット式の短所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 14:13 UTC 版)
「ガーラット式機関車」の記事における「ガーラット式の短所」の解説
ガーラット式は、通常の蒸気機関車と違って基本的にシリンダーがかなりボイラーから離れた位置にある。これは最初に作られたK1形でシリンダーを足回りの内側(ボイラー側)に設置した所、前側は問題なかったが後部シリンダーが運転台の真下にあることで運転台が熱くなるという欠陥があったためで、以後のガーラット式機関車ではシリンダーを足回りの外側(車端側)に取り付けるようになったが、これによって蒸気パイプがそれぞれのホイールベース分長くなり、特に飽和蒸気を使う場合は長々と引き回されたパイプ内で冷えて凝縮してしまう割合が大きくなるという問題があった。また、ガーラット式に限らず関節式機関車全体に言えることであるが、ボイラに対して首を振るシリンダーに蒸気を送れるように、蒸気パイプにたわみ継ぎ手を設け、かつ蒸気が漏れないようにするなど精度・難易度ともに高い技術が要求された。 その他、走り装置が中央部の長さ分だけ離れているということは、それだけ全長が伸びる(通常型の重連やマレー式関節式機関車の方が短くて済む)ということであり、有効長が厳しい路線では扱いにくくなるという問題もある。 これ以外に前後の走り装置の上を水タンクにしていると、水タンクをあまり大きく取れなかったり、水を消耗すると軽くなって粘着力が低下することがあるが、これについては水槽車(water tender)を引くことで解決した。 南アフリカ鉄道(SAR)X-20形水槽車 SARのGMA形機関車と水槽車の接続部分 水槽車をつけて走るSARのGMA形機関車
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