ガーラット式機関車とは? わかりやすく解説

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ガーラット式機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 14:13 UTC 版)

ガーラット式機関車(ガーラットしききかんしゃ)は、関節式蒸気機関車の一形式。名前は、考案者であるイギリスの機関車技術者ハーバート・ウィリアム・ガーラット英語版に由来する。なお、日本語では表記揺れで「ガラット」や「ギャラット」などと表記されることもある。


注釈

  1. ^ ただし、特許存続時代にも一部ライセンスを取った別メーカーの製造がある。
  2. ^ 複式はこれのみで次に作られたダージリン・ヒマラヤ鉄道のガーラット機からはすべて単式である。
  3. ^ 参考までに言うと、日本の蒸気機関車で総重量が近い(36.48t)4軸動輪の4000形が牽引力5660kgである。
  4. ^ 現在はイギリス国内のウェルシュ・ハイランド鉄道に動態保存されているガーラット式機関車があるが、これは元々はニュージーランドや南アフリカ向けの輸出機である。
  5. ^ これはあくまで予備用であり、基本は後述の水槽車を連結させて供給する予定であった。
  6. ^ 一見背中合わせに連結されたディーゼル機関車のような姿をした2-10-2のキャブ・フォワード型蒸気機関車と、運転台がありブースター付きの炭水車という構成の案。
  7. ^ マーク1-Bは動輪の上に火室が乗っているので、必然的に火床の位置がやや高くなった。
  8. ^ 火室の前後を動輪で支えるので従輪やテンダーにブースターが不要、マーク1-Bは炭水車と反対の方から石炭をくべるのでコンベアのようなもので前側に石炭を送る必要があるが、こちらは元々火室側に石炭を搭載しているので普通の給炭機でよいなど。
  9. ^ 火室を深く取り、蒸気を吹き込むなどして石炭を蒸し焼き状態にし、COガスを発生させ、このガスによる火炎に別の空気を吹き込むというもので、副作用で石炭殻が固まりにくくなるメリットも生じた。
  10. ^ 軌間:1435mm、車両限界:高さ4550mm・幅3150mm、最大軸重:25tという条件。なお連結器は取り換えれるとしてねじ式連結器の強度上限は考慮していない。
  11. ^ これ以外のスペックは以下の通り「全長(テンダー込み)46750mm、動軸数18、動輪直径1500mm、最大軸重25t、シリンダ数9(注)シリンダ行程700×650(4軸駆動用×6)or 820(6軸駆動用×3)mm、ボイラーの最大外径2800mm、火格子面積16m2、石炭25t、水100m3、半径200mのカーブを通過可能。」なお、この機関車のテンダーは前後に逆向きにつけられ水のみを搭載、機関車後部に石炭のみを搭載という構造。
    (注:原文ではシリンダー数は“19”とあるが、P114の表を数える限り4軸を動かすシリンダーが2つづつ3組、6軸を動かすシリンダーが3つ1組なので誤植と判断した。)
  12. ^ この水槽車はテンダー式機関車と違い永久連結ではないので任意で切り離せるうえ、機関車の前後どちらからでもパイプさえ設置すれば水は供給可能のため、終点で向きを変える場合も切り離して機回しすればよかった。

出典

  1. ^ 日本国有鉄道 編 『復刻版 鉄道辞典(上巻)』 同朋舎メディアプラン、1958(2013年復刻)。ISBN 978-4-86236-040-3、p.285-286「関節式機関車」。
  2. ^ Durrant, A.E. (1981). Garratt Locomotives of the World. Dawlish: David & Charles. ISBN 0-7153-7641-1 
  3. ^ デイビット・ロス『世界鉄道百科事典』小池滋・和久田康雄訳、悠書館、2007年、P147・231-232。
  4. ^ 高田隆雄「タスマニアのガーラット1号機」『鉄道ファン 第20巻4号(通巻228号)』株式会社交友社、昭和55年4月1日発行、雑誌06459-1、P90。
  5. ^ デイビット・ロス『世界鉄道百科事典』小池滋・和久田康雄訳、悠書館、2007年、P87。
  6. ^ デイビット・ロス『世界鉄道百科事典』小池滋・和久田康雄訳、悠書館、2007年、P87。
  7. ^ デイビット・ロス『世界鉄道百科事典』小池滋・和久田康雄訳、悠書館、2007年、P147・177-178。
  8. ^ デイビット・ロス『世界鉄道百科事典』小池滋・和久田康雄訳、悠書館、2007年、P239。
  9. ^ 齋藤晃『蒸気機関車200年史』NTT出版、2007年、P443-447。
  10. ^ デイビット・ロス『世界鉄道百科事典』小池滋・和久田康雄訳、悠書館、2007年、P233。
  11. ^ 齋藤晃『蒸気機関車200年史』NTT出版、2007年、P446。
  12. ^ Hollingsworth & Cook 1987
  13. ^ 『鉄道模型趣味 2021-4(No.951)』機芸出版社、2021年、雑誌06455-04、p.64。
  14. ^ 朝倉希一「技術随筆 汽車の今昔10」『鉄道ファン 第19巻第10号(通巻222号)』株式会社交友社、昭和54年10月1日発行、雑誌06459-10、P113-114。
  15. ^ デイビット・ロス『世界鉄道百科事典』小池滋・和久田康雄訳、悠書館、2007年、P177-178。
  16. ^ デイビット・ロス『世界鉄道百科事典』小池滋・和久田康雄訳、悠書館、2007年、P87。
  17. ^ 高田隆雄「タスマニアのガーラット1号機」『鉄道ファン 第20巻4号(通巻228号)』株式会社交友社、昭和55年4月1日発行、雑誌06459-1、P89。
  18. ^ The End of the World Train - Tierra del Fuego National Park - Engineer Zubieta
  19. ^ Hamilton, Gavin N., The Garratt Locomotive - Garratt Locomotives produced by Beyer, Peacock, http://www.beyergarrattlocos.co.uk/bp.html 2012年11月10日閲覧。 
  20. ^ Hamilton, Gavin N., The Garratt Locomotive - Garratt Locomotives from Other Builders, http://www.beyergarrattlocos.co.uk/other.html 2012年11月10日閲覧。 
  21. ^ The End of the World Train - Tierra del Fuego National Park - Engineer Porta
  22. ^ ガーラットの残存機
  23. ^ RailwaysAfrica 2008/1 p 34


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