カーナヴォン・キャッスルとの交戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 14:14 UTC 版)
「トール (仮装巡洋艦)」の記事における「カーナヴォン・キャッスルとの交戦」の解説
11月にはイギリス海軍の「トール」捜索戦力は10隻となっており、そのうちの1隻の仮装巡洋艦「カーナヴォン・キャッスル」が12月5日に「トール」と遭遇した。ケーラーは今回も逃走を試みたが、「カーナヴォン・キャッスル」が接近し、停船命令に続いて発砲されると戦闘を開始した。しばらくは両者とも命中弾を得られず、また「トール」は魚雷2本を発射したが、これは「カーナヴォン・キャッスル」の両側を通過した。その後、「カーナヴォン・キャッスル」は続けて被弾、炎上し、逃走した。「トール」は被弾せず、一方「カーナヴォン・キャッスル」には593発中27発を命中させた。イギリス巡洋艦「カンバーランド」、「エンタープライズ」、「ニューカッスル」が現場に向かったが、「トール」捕捉に失敗している。 12月21日、「トール」はタンカー「Eurofeld」から補給を受けた。この後、「アドミラル・シェーア」と同艦が拿捕した冷蔵船「Duquesa」や、タンカー「Nordmark」も合流した。「Duquesa」は大量の卵を積んだ船で、「トール」も卵の補給を受けた。1941年1月2日に「トール」は他の船と別れた。 補給船との会合や、仮装巡洋艦「ピンギン」に拿捕されフランスへ向かう途中の捕鯨船への補給を監督するといったことがあった後、3月には「トール」はカーボベルデ諸島の南西に移った。3月25日、イギリス客船「ブリタニア (Britannia)」(8799トン)を発見。同船は逃走を図ったため「トール」は発砲。被弾すると「ブリタニア」は止まり、降伏した。乗員、乗客の退船が始まったが、その頃近くにいると思われる船からの「ブリタニア」宛の信号が傍受された。そのため、退船完了後に「ブリタニア」を砲撃で沈めると、ケーラーはその場から離れるよう命じた。近くにいた1名のみが「トール」に収容された。「ブリタニア」には527名が乗っていたが、残されたものの内助かったのは331名であった。同日、「トール」はスウェーデン船「Trollenholm」(5047トン)を臨検。同船はイギリスの海軍本部の傭船で石炭を運んでいたため沈めた。
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