カッワーリーの成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/19 10:27 UTC 版)
「カッワーリー」の語源は「言葉」を意味するアラビア語のコール(qaul)であると言われている。コールとはアラブ古典音楽であるナウバ形式の最初の楽章名である。また、コールにはコーランの詩句など、預言者ムハンマドが語ったアラビア語という宗教的な意味がある。中世にはコールは旋律に乗せて語られ、その歌い手のことを「カッワール」と呼んでいた。今日でもカッワーリーの歌手はカッワールと呼ばれている。このコールがスーフィーたちによって南アジアに伝えられ、現地の文化を取り込んでカッワーリーに変化していったと考えられている。 一般にカッワーリーの創始者といわれる人物にアミール・フスロー(1253 - 1325)がいる。彼の伝記によれば、パキスタン中部のムルターンで聖者バハーウッディーン・ザカリヤーに仕えるカッワールたちが歌っていたアラビア語の神秘詩が気に入って、スーフィズムに取り入れるようになったことが始まりという。西アジアと南アジア両方の文化に通じ、優れた詩人だったフスローはカッワーリーのレパートリーの重要な詩句の多くを作り、その音楽を文学的に魅力あるものにした。
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