オレンジヒキガエル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/09 10:09 UTC 版)
オレンジヒキガエル | ||||||||||||||||||||||||||||||
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オレンジヒキガエル(オス) Bufo periglenes
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保全状況評価[a 1][a 2] | ||||||||||||||||||||||||||||||
EXTINCT (IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書I
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Bufo periglenes Savage, 1967 | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
オレンジヒキガエル | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Golden toad Orange toad |
オレンジヒキガエル(Bufo periglenes)は、両生綱無尾目ヒキガエル科ヒキガエル属に分類されるカエル。絶滅種。別名オスアカヒキガエル。
分布
形態
オス4.1-4.8センチメートル、メス4.7-5.4センチメートル[1][2]。背面にはあまり発達しない隆起があり、隆起には黒く小さい刺がある[1]。体側面には隆起がない[1]。
外鼻孔から眼にかけてと、上瞼の内側、鼓膜背面に骨質の隆起がある[1]。鼓膜は皮下にあり露出しない[1]。耳腺は眼とほぼ同じ大きさであまり隆起しない[1]。鳴嚢がない[1]。四肢は長い。後肢の趾基部の間にはあまり発達しない水かきがある[1]。
オスは背面の体色が赤や橙色[1][2]。腹面の体色は淡橙色で、不明瞭な橙色や褐色の斑紋が入る[1]。メスは背面の体色が黒褐色や黄褐色で、黄色い縁取りのある赤い斑点が入る[1][2]。腹面の体色は黄緑色や淡黄色で、黒や赤の斑紋が入る個体が多い[1]。
卵は大型で、卵黄も大型[2]。幼生は全長1.5センチメートルで、体色は黒褐色[1]。変態直後の幼体は背面の体色が濃褐色、腹面の体色が黒で全身に青白色の斑紋が入る[1]。
生態
標高1,590メートル周辺にある常緑広葉樹からなる雲霧林に生息していた[1][2]。地表棲で、繁殖期にしか発見されなかったことから地中に潜って生活していたと考えられている[1]。
食性は動物食で、昆虫、無脊椎動物を食べていたと考えられている[2]。幼生は変態するまで食物を摂らないこともあったと考えられている[1]。
繁殖形態は卵生。3-5月に降雨後にできた池に200-300個の卵を産んでいた[1][2]。幼生は6月に変態して幼体になる[1]。
人間との関係
1987年には1,500匹以上の個体と繁殖が確認されたが、1988-1989年に11匹が確認されて以降の発見例がないため絶滅したと考えられている[1][2]。絶滅の原因は不明だが生息地が長さ8キロメートル、幅0.5キロメートルと極めて限定的ながらモンテベルデ自然保護区に指定され開発や水質汚染が影響しなかったため、旱魃が原因だと考えられている[1][2]。この旱魃には、人為的な地球温暖化がかかわっていると評価されている[3]。
参考文献
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 松井正文「オレンジヒキガエル」 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2001年、134、282-283頁。
- ^ a b c d e f g h i j 『絶滅危惧動物百科3 ウサギ(メキシコウサギ)―カグー』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店、2008年、76-77頁。
- ^ “IPCC第6次評価報告書の概要 第2作業部会(影響、適応、及び脆弱性)” (PDF). 環境省. 気候変動に関する政府間パネル. p. 19 (2023年8月). 2025年9月9日閲覧。
関連項目
外部リンク
- ^ CITES homepage
- ^ a b The IUCN Red List of Threatened Species
- Alan Pounds, Jay Savage, Federico Bolaños 2004. Incilius periglenes. In: IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.2.
固有名詞の分類
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