オリアナ_(初代)とは? わかりやすく解説

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オリアナ (初代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 23:47 UTC 版)

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オリアナ
基本情報
船種 オーシャンライナークルーズ客船
船籍 イギリス
所有者 P&O
運用者 P&O
建造所 ヴィッカース・アームストロング
IMO番号 5264742
経歴
起工 1956年9月18日
進水 1959年11月3日
竣工 1960年12月3日
引退 1986年
最後 2005年 中国で解体
要目
総トン数 41,910 トン
全長 245.1 m
全幅 30.5 m
機関方式 蒸気タービン
主機関 2基
出力 80,000 馬力
最大速力 30.64 ノット
航海速力 27.5 ノット
旅客定員 2,000名(定期航路)
1,750名(クルーズ)
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オリアナ(SS Oriana)は、1960年に就航したイギリスP&O社の客船。イギリス・オーストラリア間の定期航路やオーストラリア周辺のクルーズに用いられた。また、引退後の1987年からは大分県別府市別府港に係留され、フローティング・ミュージアムとして営業した。

船歴

オーシャン・ライナーとして

オリアナは、P&O社の最後のオーシャン・ライナーである。イギリス・ランカシャーにあるヴィッカー・アームストロング社バロウ・イン・ファーネス造船所で建造され、1959年11月3日に進水した。オリアナという名は、イギリス女王エリザベス1世の雅名である。

オリアナの処女航海は、1960年12月、サウサンプトンからシドニーまでであった。オリアナは、当時、イギリスとオーストラリア、ニュージーランド間に就航していた中で、最大かつ最速の客船であった。大きさでは、直後の1961年に就航したキャンベラにその座を譲ったが、速力では、引退する1986年までP&Oの船団の中で最速を保った。

日本へは1963年4月に初めて寄港した。また、1964年東京オリンピックの際には、横浜港に停泊し海上ホテルとして使用された。

クルーズ船として

1973年以降、オリアナはクルーズ船に転用され、1981年から引退する1986年3月まで、シドニーを本拠地としていた。

日本へ

マリーン・ミュージアム SSオリアナ(別府国際観光港)

引退から2か月後の1986年5月、大和ハウス工業が設立したロイヤル海洋観光がオリアナを購入。オリアナは大阪に回航されて改装を受けた。フローティング・ホテルとしての営業も検討されたが、改装費や別府旅館組合など反対からミュージアムとして営業することとなり、1987年8月1日に大分県別府市の別府港でマリーン・ミュージアム SSオリアナとしてオープンした。

オリアナの優雅な船体は別府港のシンボルとして親しまれたが、入場料設定が高かったため、初年度の入場者は目標の120万人に対して80万人にとどまった。1993年度には入場者が目標の6分の1に過ぎない22万人にまで落ち込むなど、営業的には成功を収めることはできず、1994年10月24日、ロイヤル海洋観光は1995年3月に営業を終了することを発表。営業終了にあたって船体を大分県、別府市に寄贈すると申し出た[1]。大分県、別府市側では活用の目途が立たないことから、この申し出が受け入れられることはなかった。

中国へ

その後、売却先として中国やドイツ、イギリスから打診があったが、公的機関として現状変更をせず長く使うという点から、中国の湖北省秦皇島港港務局への売却が決まった。1995年7月17日、オリアナは「さようなら ありがとう」と書かれた垂れ幕を掲げて別府湾を離れ、中国へ曳航された[2]。中国では秦皇島レストラン船「奥麗安婦」として営業されていたが、1998年末に上海港で再塗装を施され[3]、翌1999年オリアナ号豪華客船博物館として営業を再開した。さらに2002年からは大連の星海湾公園で大連オリアナ海上主題公園テーマパーク)として営業していたが、2004年6月16日夜、台風6号の影響下の暴風雨のため船体が傾き浸水[4]。修復不能と判断され、2005年に解体された。

オリアナの名は、1995年に就航したP&O社のクルーズ客船「オリアナ」に受け継がれた。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 「内外商船ニュース ロイヤル海洋観光がオリアナから撤退」 『世界の艦船』第492集(1995年2月号) 海人社
  2. ^ 「ニュースフラッシュ 別府湾の「オリアナ」Oriana中国へ売却」 『世界の艦船』第502集(1995年10月号) 海人社
  3. ^ 写真:山本弘敏「上海に姿を見せた旧「オリアナ」」 『世界の艦船』第550集(1999年4月号) 海人社
  4. ^ 「内外商船ニュース 大連の旧「オリアナ」が強風で傾斜着底」 『世界の艦船』第631集(2004年9月号) 海人社 P.170



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