オオカミウオ科とは? わかりやすく解説

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オオカミウオ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/01 08:32 UTC 版)

オオカミウオ科
ニシオオカミウオ Anarhichas lupus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ゲンゲ亜目 Zoarcoidei
: オオカミウオ科 Anarhichadidae
英名
Wolffishes
seawolf
ocean catfish
wolf eel
下位分類
本文参照

オオカミウオ科学名Anarhichadidae)は、スズキ目ゲンゲ亜目に所属する魚類の分類群の一つ。2属からなり、オオカミウオなど寒冷な海に生息する底生魚のみ5種が含まれる[1]

分布・生態

オオカミウオ科の魚類はすべて海水魚で、北部太平洋あるいは北部大西洋の冷たい海に分布する[1]。沿岸の浅い海から、やや深みにかけての海底で生活する底生魚の一群である。所属する5種のうち3種は大西洋産で、北アメリカヨーロッパにおいて重要な水産資源となっている[2]。残る2種のうち、オオカミウオ Anarhichas orientalis のみが日本の近海にも生息する[2]

肉食性で、貝類ウニ頭足類を主に捕食する。は雄あるいは雌によって保護される[2]

カナダ周辺に生息するニシオオカミウオは、魚卵を産んだ後の雌は育児を雄に任せて巣から離れる[3]

形態

ニシオオカミウオ(Anarhichas lupus)。本科魚類は発達した頭部と、先細りの細長い尾部が特徴である

オオカミウオ科の仲間は左右にやや平たく側扁した、細長い体型をもつ。の前方には円錐状の鋭い犬歯を、後方には大きな臼歯を備え、貝類など硬い獲物を噛み砕くことが可能になっている[1]。よく発達した頭部に比べ尾部は貧弱で、先細りの体をしていることが多い[2]

Anarrhichthys 属に含まれる唯一のであるウルフイール(A. ocellatus)はウナギのように著しく細長く成長し、最大で2.5mに達するなど、オオカミウオ属との形態学的差異が大きい[1][4]

背鰭の基底は長く、柔軟な棘条のみで構成され、軟条を欠く[1]。棘条はオオカミウオ属では69-88本、Anarrhichthys 属では218-250本[4]。大きな胸鰭をもつ一方で腹鰭はなく、支持骨格のみが残存する[1]。臀鰭は42-55本(オオカミウオ属)あるいは180-233本(Anarrhichthys 属)の軟条からなり、後者では1本の棘条をもつ場合がある[4]。尾鰭は小さく、オオカミウオ属では背鰭・臀鰭と連続しない。椎骨は通常72-89個で、Anarrhichthys 属のみ250個を超える[1]

はないか、ごく微小な円鱗をもつのみ[1]側線の発達は悪く、浮き袋はもたない[4]。両側の鰓膜は峡部で互いに接触する[1]

分類

ウルフイール(Anarrhichthys ocellatus)。非常に細長い体型が特徴の種で、アラスカからカリフォルニアにかけての沿岸に分布する[1]

オオカミウオ科には2属5種が記載される[1]

出典・脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k 『Fishes of the World Fifth Edition』 p.481
  2. ^ a b c d 『日本の海水魚』 pp.546-547
  3. ^ 卵を産んだ雌がとる意外な行動とは?”. natgeo.nikkeibp.co.jp. ナショナルジオグラフィック. 2025年1月15日閲覧。
  4. ^ a b c d Anarhichadidae”. FishBase. 2010年4月17日閲覧。

参考文献

外部リンク


オオカミウオ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/07 09:37 UTC 版)

ゲンゲ亜目」の記事における「オオカミウオ科」の解説

オオカミウオ科 Anarhichadidae は2属5種からなる日本近海分布するのはオオカミウオのみで、利用されることは少ないが、大西洋分布する種類食用魚として重要である。はないか、ごく小さな円鱗限られる側線発達しない胸鰭大きく背鰭棘条のみで構成される腹鰭はなく、尾鰭も非常に小さい。顎には強靭な犬歯大きな臼歯備える。 オオカミウオ属 Anarhichas Anarrhichthys 属

※この「オオカミウオ科」の解説は、「ゲンゲ亜目」の解説の一部です。
「オオカミウオ科」を含む「ゲンゲ亜目」の記事については、「ゲンゲ亜目」の概要を参照ください。

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