エポキシ化とは? わかりやすく解説

エポキシド

(エポキシ化 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/08 01:45 UTC 版)

最も簡単なエポキシドであるエチレンオキシド(エポキシエタン)の構造式

エポキシド (epoxide) は3員環のエーテルであるオキサシクロプロパン(オキシラン)を構造式中に持つ化合物の総称で、最も単純なものはエチレンオキシド(エポキシエタン)である。置換基として見る場合はエポキシ基と呼ばれる。化学工業、有機合成化学の分野において中間体として重要である。

合成

多くの場合、過酸化物などによってオレフィンを酸化することで合成される[1]。酸化剤として、実験室レベルではmCPBAオキソン、金属のオキソ錯体、過酸化水素などが利用される。

1,2-ハロヒドリンからの分子内ウィリアムソン合成も、エポキシドを得る有力な手法である。

キラルなエポキシドは中間体として重要であるため、各種の不斉酸化反応が発表されている。バリー・シャープレスらによるシャープレス酸化が有名であるが、その弟子であるエリック・ジェイコブセンサレン錯体を用いる方法を発表している。またなどから誘導したケトンを触媒とし、オキソンを用いて酸化する手法も近年進歩が著しい。

そのほかの方法として、カルボニル化合物に対して硫黄イリドを作用させることでもエポキシドが得られる(コーリー・チャイコフスキー反応)。1,2-ジオールの脱水による方法もある。

反応

エポキシドは反応性に富み、求核性を持った化合物と付加反応を起こす。そのため、様々な化合物を作るための原料として実験室や工場で用いられている。例えばエポキシドに水を酸触媒で付加すると vic-アルコールが、第一級のグリニャール試薬と反応させると増炭して新たな第一級のアルコールが、アミンを反応させるとアミノアルコールができる。

出典

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  1. ^ 伊香輪恒男「オレフィンのエポキシ化反応」、『有機合成化学協会誌』第26巻第6号、有機合成化学協会、1968年、 506-513頁、 doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.26.506

関連項目


エポキシ化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/02 06:07 UTC 版)

ペルオキシ一硫酸カリウム」の記事における「エポキシ化」の解説

-アセトン混合溶媒オキソン懸濁させ、基質となるオレフィン加えるだけで容易にエポキシドへの酸化が起こる。アセトン過硫酸水素カリウムから生成するジメチルジオキシラン活性中間体となり、オレフィンをエポキシ化するものと考えられている。 またアセトン代わりにフルクトースなどから誘導した環状ケトン用いることにより、不斉エポキシ化が可能となる。詳しく史不斉エポキシ化の項目を参照

※この「エポキシ化」の解説は、「ペルオキシ一硫酸カリウム」の解説の一部です。
「エポキシ化」を含む「ペルオキシ一硫酸カリウム」の記事については、「ペルオキシ一硫酸カリウム」の概要を参照ください。

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