ペルオキシ一硫酸カリウムとは? わかりやすく解説

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ペルオキシ一硫酸カリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/03 20:43 UTC 版)

ペルオキシ一硫酸カリウム
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.030.158
PubChem CID
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
性質
KHSO5
モル質量 152.2 g/mol (614.76 g/mol 三重塩)
外観 オフホワイトの粉末
分解
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
酸化剤、腐食性
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
[2]
Health 3: Short exposure could cause serious temporary or residual injury. E.g. chlorine gasFlammability 0: Will not burn. E.g. waterInstability 1: Normally stable, but can become unstable at elevated temperatures and pressures. E.g. calciumSpecial hazards (white): no code
3
0
1
安全データシート (SDS) Fisher Scientific SDS
関連する物質
関連物質 ペルオキシ二硫酸カリウム
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
N verify (what is  N ?)

ペルオキシ一硫酸カリウム(ペルオキシいちりゅうさんカリウム、英:potassium peroxymonosulfate)、過硫酸水素カリウムあるいは一過硫酸カリウムは、広く使用されている酸化剤の一つである。過硫酸カリウム。過硫酸水素カリウムは強力な酸化剤であるが、不安定で取り扱いが難しい。しかし、硫酸水素カリウム硫酸カリウムを添加し複塩を作らせることにより安定な白い結晶となり、取り扱い容易な優れた酸化剤となる。この複塩は、デュポン社がオキソン(Oxone)、エボニック社がCaroatと称して販売している。商標ではあるが、「オキソン」は一般的な化学用語として認知されている[3]

主に有機合成化学分野において、オキソンは実験室で用いられる代表的な過硫酸試剤である。主な用途はオレフィンからエポキシドへ、第三級アミンからアミンオキシドへ、アルデヒドからカルボン酸へ、スルフィドからスルホンへの酸化などが挙げられる[4][5]

エポキシ化

-アセトンの混合溶媒にオキソンを懸濁させ、基質となるオレフィンを加えるだけで容易にエポキシドへの酸化が起こる。アセトンと過硫酸水素カリウムから生成するジメチルジオキシランが活性中間体となり、オレフィンをエポキシ化するものと考えられている。

DDOによるアルケンの酸化

またアセトンの代わりに、フルクトースなどから誘導した環状ケトンを用いることにより、不斉エポキシ化が可能となる。詳しくは史不斉エポキシ化の項目を参照。

Shi不斉エポキシ化

その他の酸化

2-ヨード安息香酸をオキソンで酸化することにより、2-ヨードキシ安息香酸(IBX)が得られる。このものはデス・マーチン試薬の中間体として知られる。

出典

  1. ^ Wu, Mingsong; Xu, Xinyang; Xu, Xun (November 2014). “Algicidal and Bactericidal Effect of Potassium Monopersulfate Compound on Eutrophic Water”. Applied Mechanics and Materials 707: 259. doi:10.4028/www.scientific.net/AMM.707.259. 
  2. ^ DuPont MSDS”. 2014年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月26日閲覧。
  3. ^ “Oxone”. Spectral Database for Organic Compounds (SDBS). "National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)". このデータベースにてoxoneの語でも検索できる。
  4. ^ Benjamin R. Travis, Meenakshi Sivakumar, G. Olatunji Hollist, and Babak Borhan (2003). “Facile Oxidation of Aldehydes to Acids and Esters with Oxone”. Org. Lett. 5 (7): 1031–4. doi:10.1021/ol0340078. PMID 12659566. 
  5. ^ James R. McCarthy, Donald P. Matthews, and John P. Paolini (1998). “Reaction of Sulfoxides with Diethylaminosulfur Trifluoride”. Organic Syntheses (英語).{{cite journal2}}: CS1メンテナンス: 複数の名前/author (カテゴリ); Collective Volume, vol. 9, p. 446

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