エピソードとフィクション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/11 03:38 UTC 版)
「タイタニック号に乗船していた動物たち」の記事における「エピソードとフィクション」の解説
タイタニック号に乗船していた動物たちについては、さまざまなエピソードが語り伝えられている。その中でもよく知られているのは、1等船客の女性が自分の愛犬を見捨てることを拒否してタイタニック号に残り、自ら死を選んだというものである。 TIME.comの特集記事(2012年4月11日付)やEncyclopedia Titanicaなど複数の情報源によれば、この女性はシカゴ出身のアン・エリザベス・アイシャム(事故当時50歳)とされる。アンは愛犬(おそらくグレート・デーン種の大型犬)とともにタイタニック号に乗船した。タイタニック号が氷山に衝突して沈没の危機が迫る中、アンの愛犬は大型犬だったため救命ボートに乗ることができず、犬小屋に戻された。愛犬が救命ボートに乗れなかったことを知ったアンは、自らボートを降りて船に戻った。アンと愛犬は、タイタニック号とともに海に沈んだ。 アンはタイタニック号に乗船していた1等船客の女性たちの中で、死亡した4人(ベッシー・アリソンの娘ロレーヌを加えると5人)のうちの1人となった。なお、ジョアンナ・スタンク夫人が目撃した「ふさふさした毛の犬を抱き締めた別の女性」がアンであると推定する意見が存在する。ただし、アンの遺体については「収容された」とする情報源と「行方不明」とする情報源の双方がある。 ノンフィクション作家の関朝之は、アンと愛犬のエピソードなどをもとに童話『タイタニックの犬ラブ 氷の海に沈んだ夫人と愛犬の物語』(2001年)を書き上げた。この童話はタイタニック号に乗船していた唯一の日本人乗客細野正文の曾孫(実在の女性)をストーリーテラーとして登場させ、幼い日の彼女が近所の老婦人から聞いたエピソードを成人になってから回想する形式をとっている。ただし、作中に出てくる愛犬とともに海に消えた女性は、「アントワール・ニコラシカ」という架空の人物に置き換えられている。
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