エキシマとは? わかりやすく解説

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エキシマ【excimer】


エキシマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/10 00:20 UTC 版)

励起状態モノマーとエキシマーのエネルギー準位図

エキシマとは電子励起状態原子分子が、他の原子分子と形成する分子である。Excited dimer(励起二量体)を略してExcimerと呼んだことに由来する。とりわけ基底状態では結合しない二つの原子によって形成されるエキシマがよく取り上げられる。エキシマの寿命はきわめて短く、一般的にはナノ秒のオーダーである。

形成と崩壊

エキシマは片方の原子分子が励起状態になければ形成されない。電子状態が基底状態になると分解して元に戻り、多くの場合相互に反発する。エキシマからの発光は元の原子分子からの発光より波長が長い。これはエキシマを形成することによってエネルギー的に安定するからである。したがってエキシマは蛍光によって検出されうる。

エキシマは二原子(分子)相互作用によって起こるので、元となる原子分子の密度が高いほど形成しやすい。密度が低いと、励起状態になった原子分子が他と相互作用してエキシマを形成する前に基底状態に戻ってしまうことが多くなる。

エキシマの例と用途

エキシマレーザーはエキシマの最も一般的な利用であり、希ガスハロゲンによって形成されるXeClなどの二原子エキシマを用いる。エキシマレーザーは、エキシマが励起状態でのみ存在し、基底状態では分解するので、完全な反転分布となることを使用している。また生物物理学においては、生体分子の間の距離を測定するのにピレンのエキシマを利用する。その他には、エキシマの形成し易さは、マトリックスの粘度に依存するため、高分子薄膜の粘度センサーにも用いることができる。

語の用法

厳密な用法では、同一の原子分子二つからなる二量体だけがエキシマであり、異なる原子分子からなるものはエキサイプレックス(exciplex)と呼ぶのが本来である。しかし両方ともエキシマと呼ぶことが一般的となっている。


エキシマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 23:50 UTC 版)

ヘリウム二量体」の記事における「エキシマ」の解説

通常のヘリウム原子では、2つ電子1s軌道収まっているが、十分なエネルギー供給されると、1つ電子高エネルギー準位上がる。この高エネルギー電子価電子1s軌道残った電子内殻電子となる。2つ励起したヘリウム原子反応し共有結合形成したものをジヘリウムと呼び、数μ秒から数秒の間存在する。23S状態の励起したヘリウム原子は、最大1時間程度存在でき、アルカリ金属のように反応する。 ジヘリウムの存在最初の手がかりは、1900年W. Heuseがヘリウム放電スペクトル観察して得られたが、このスペクトルについては情報公開されなかった。1913年には、ドイツE. GoldsteinとロンドンW. E. Curtis独立してスペクトル詳細公表したCurtis第一次世界大戦従軍召還されスペクトルの研究アルフレッド・ファウラー引き継がれた。ファウラーは、2つのバンドヘッドを持つスペクトルバンド主系列と鈍系列2つ系列対応することに気付いた

※この「エキシマ」の解説は、「ヘリウム二量体」の解説の一部です。
「エキシマ」を含む「ヘリウム二量体」の記事については、「ヘリウム二量体」の概要を参照ください。

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