エイベックスエアロスペースを使った価格操作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 12:30 UTC 版)
「山田洋行事件」の記事における「エイベックスエアロスペースを使った価格操作」の解説
卸値の倍以上の価格での契約が明らかになったのは2002~07年度に契約した独「ラインメタル」社製の迫撃砲用訓練弾など計32件(系列メーカー1件含む)の契約額は計17億円だったが、防衛省が現在行っている調査に対してライン社が提出した納品書上の卸値は計7億6000万円だった。 防衛省によると、2002年度以降、山田洋行と関連の深い米軍需部品仲介会社、エイベックス・エアロスペース・コーポレーション社(Avex Aerospace Corporation 本社 カリフォルニア州トーランス、ヨーロッパ支社 オランダアムステルダム)の欧州法人がライン社の代理店となり、取引に介在。山田洋行はライン社でなく、エイベックス社の見積書を防衛省に出すようになった。この見積書の価格が、ライン社がエイベックス社に卸した価格と比べて大幅に引き上げられていたことが防衛省調査により判明している。 エイベックス社と山田洋行は、見積書などを作成するシステムを共有し、山田洋行側で自在に見積価格の変更指示が可能であった。 関係者は「エイベックスからの見積もりというのは、(山田洋行の)システム上でやっています。見積書は、あくまでエイベックスが作っているという形にしていますが...、それを山田洋行がいじれるということですね」と話す。 防衛省の規定により、防衛省との商社間で締結される契約は海外メーカーの見積書を提出する必要があるが、山田洋行はエイベックスに指示を行って、価格を増していた。(※いわゆる見積書偽造ではなく、これは米国企業を利用した形の別の契約価格操作方法となる。契約書が捏造されて作成された水増し事件とは別。)国会による水増し調査が難航しているのは、このエイベックス社を介して行った調達が多いため。省との間接的な取引を行ってきた製造業者に対するコンタクトがネックになっているとされる。防衛大臣石破茂はマスコミに対し、「時間が経っている調達もあり、担当者の移動や退職などで必ずしも調査がスムースにいっていない」と語っている。 山田洋行とは未だに契約関係にあり、中国新聞がその関係を指摘している。
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