イ-660形自動式壁掛け電話機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 06:41 UTC 版)
「電話機」の記事における「イ-660形自動式壁掛け電話機」の解説
沖電気で、施設の構内電話用として製造されていた電話機で、2号相当の性能を持っている。外観は制式の2号とは異なり、金属製筐体で、ベル装置も内蔵とするなど、後の3号に共通する特徴を持っていた(ただし、送受話器は2号と同じ形態である)。日中戦争から太平洋戦争にかけて、物資が不足する事態になった際、沖電気の在庫から、代用2号電話機として電話加入者に提供した。 電話機の普及度や位置づけ 加入電話回線が増加したとは言っても、まだ単独電話加入権を持っていたのは法人格か、商家に限られていた。そして、電話機を持つ家が、周囲の住人が電話を必要とした際に、貸し出していた。また、「電話の相手は訪問者と同じ」という考え方も根強かった。また、2号電話機の性能では、周囲に雑音の多いところでは会話が困難で、「電話室」と呼ばれる、木製の小型の個室を備えている場合も多かった。そのため、日本においては、電話機は玄関先におくものというスタイルが定着した。このスタイルでは、卓上型の利点はほとんどなく、従って、実際に使用された2号電話機のほとんどは壁掛け型であった。2号卓上型のスタイルが世間に認知されなかったのは、このためである。 しかし、大量に提供された2号壁掛け自動電話機は、戦後の回線数増強の工事の前提とした伝送特性に対応しきれず通話に支障をきたすことになった。新型電話機への更新も最新鋭の電話機の台数不足でままならず、そのため3号電話機(黒電話)の部品を用いての改造を余儀なくされた。
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