イスラーム共同体と「ジハード」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 16:37 UTC 版)
「ジハード」の記事における「イスラーム共同体と「ジハード」」の解説
ジハードは、イスラーム共同体を外からの攻撃から守ることだけではなく、内側に生じる崩壊の要因を除去するための奮闘努力を含んでいる。それを、「生命・財産を捧げてもおこなうべし」としたところから「戦い」の言葉で形容されているものと考えられる。 そのようにみるならば、ジハード(聖戦・奮闘努力)は、ムスリムにとって最も重要で基本的な命令ということができる。そのため、ムスリムは外の世界に対し封鎖的な環境をつくらざるを得なくなる。外からの異文化の導入や異質な世界との交流・接触、異なる価値観との対立から「アッラーの道」を守らなくてはならないからである。その結果、イスラーム世界が採用した方法は、周囲に対し、あたかも大きく高い塀を張り巡らすようなものであった、ということができる。イスラーム世界が今なお中世的な雰囲気を濃厚に有していると指摘されるのもそのためであるが、しかしだからといって、イスラーム世界が外界に対して完全に閉鎖的であるというわけではない。ハディースに「知を求めることはすべてのムスリムの義務である」「中国までも知を求めよ」とあるように、イスラーム世界を発展させるための知識の導入は歓迎されており、イスラーム世界を発展させることもまた、ジハードの目的だからである。
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