イスラーム会計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 23:08 UTC 版)
イスラーム経済の特徴には利子の授受を行わない点があり、イスラーム法に準拠した取引が求められる。そのために、(1) 商品売買やリースで財を介在させて売却益や賃貸料収入を得る、(2) 出資として投資からの利益を得る、などの方法が歴史的に使われてきた。イスラーム金融とイスラーム金融機関のための国際的な会計基準は、1990年からイスラム金融機関会計・監査機構(英語版)(AAOIFI)が定めている。AAOIFIは主に湾岸諸国で採用され、マレーシア、インドネシア、パキスタンなどの国は、AAOIFIと併せて独自のイスラーム会計基準を整備した。会計教育では、影響力が大きいアメリカの会計と国民文化でもあるイスラーム会計が並立する国もある。 2009年には、16カ国によってアジア・オセアニア会計基準設定主体グループ(Asian-Oceanian Standard-Setters Group、AOSSG)が設立されて、イスラーム金融の財務報告もテーマとなった。2010年にマレーシアを中心に作業グループ(AOSSG IF WG)が組織され、イスラーム金融にIFRSを適用する際の課題をIASBに提案した。2011年にイスラーム金融諮問グループが設立され、2013年に第1回会議が開催されて、イスラーム会計をIFRSに適用する際の課題が議論されている。
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