イスラエルの戦車開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 20:53 UTC 版)
イスラエルの戦車開発において特筆すべきは、国情が非常に色濃く反映された兵器体系にある。 四方を地中海と砂漠、そして「イスラエル抹殺」を唱えるアラブ諸国に囲まれているイスラエルは人口が800万(2013年、うち20%がアラブ人)であり、アラブ側に比べるとユダヤ人の人的資源は非常に乏しく、兵器も同様の理由から「無駄遣い」をするわけにはいかなかった。こうした事情の中生まれたのが、M4中戦車にフランス製の強力な主砲を搭載したM50/M51スーパーシャーマンであり、センチュリオンやパットンをそれぞれ砂漠戦用に徹底的に改良したショットやマガフであり、アラブ側から鹵獲したT-55を改良したチランであり、そして「人命第一」をコンセプトに開発されたメルカバシリーズである。兵器の再利用にも熱心であり、旧式化したスーパーシャーマンは155mm自走砲ソルタムの車体として、ショットやチランはそれぞれナグマホン、アチザリット兵員輸送車のベースとして使われ、今なお現役である。 これらの「魔改造」とも称されるイスラエル軍の戦車開発・改良は数々の実戦経験だけでなく、「イスラエル戦車開発の父」といわれるイスラエル・タル将軍の尽力によるところが大きい。現在でも市街戦対策として、メルカバには部隊間のデータリンクシステムや「トロフィー」アクティブ防御システムの装備が進められている。
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