イシス信仰の誕生と隆盛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 19:07 UTC 版)
イシスの起源については定かではなく、イシス単体を祀った神殿や町は初期の頃には存在せず常に夫オシリス神の陪神として扱われた。しかしながら、ピラミッド・テキストには既に何度も登場しているため古い起源を持つ女神である。また、古くはホルス神の母ではなかったとされ、その性格は女神ハトホルが担っていたとされる。 時代が下ってオシリスとイシスの伝説が生まれ、広まっていく事によってハトホルと共にホルス神の母という性格を持つようになる。最もホルス神も非常に古い起源を持つことから、大ホルスと小ホルスという出自や神性が異なるために便宜的に大ホルスの母が女神ハトホル、小ホルスの母が女神イシスという見方も出来る。次第にイシスとハトホルは習合・同一視され、イシス信仰は広がりを見せた。紀元前1千年紀頃には地中海沿岸全域に広がり、ギリシャでは、デーメーテールと同一視され、共和政末期にはローマへも持ち込まれて発展し、200年頃にはほぼローマ帝国全域で信仰された。 ギリシア・ローマ時代にはアレクサンドリア港の守護女神や航海の守護女神としての性格を持つようになり、「天上の聖母」「星の母」「海の母」などの二つ名を得て、7世紀にはブリテン島にまで及んだ。
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