アート・アニメーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 21:25 UTC 版)
「アニメーションの歴史」の記事における「アート・アニメーション」の解説
明確な定義がなされた語ではないが「アート・アニメーション」と呼ばれる美的・造形的価値を追求するアニメーション作品群があり、東欧では第二次世界大戦前から発達した。この地域ではアメリカで発達したセルアニメーションが普及せず、安価で製作できる人形劇アニメーションや切り絵アニメーションが用いられたほか、地域性として人形劇の伝統があったことが発達の背景にある。 チェコでは、1940年代からヘルミーナ・ティールロヴァー(Hermína Týrlová)が人形劇アニメーションや立体素材を用いた作品を制作し、そのほかにはイジー・トルンカ(Jiří Trnka)やカレル・ゼマン(Karel Zeman)などが1950年代から60年代にかけての代表的製作者である。 ロシアはロマン・カチャーノフ(Роман Качанов)の「チェブラーシカ」(Чебурашка)のような人形劇アニメーションや、フョードル・ヒートルーク(Фёдор Савельевич Хитрук)のような風刺的作品、ユーリ・ノルシュテイン(Юрий Борисович Норштейн)の「話の話」(Сказка сказок)などの切り絵アニメーションがアート・アニメーションとして代表的である。 ユーゴスラビア時代からスタジオが存在したクロアチアやソビエト時代から国営スタジオが存在したエストニアではセルアニメーションを用いたアート・アニメーションが制作されている。ポーランドやハンガリーでも製作されており、1982年にJózsef Gémesが制作した油絵によるアニメーション「英雄時代」(Dalias idok)は長編アート・アニメーションの代表作である。
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