アンフルラージュとは? わかりやすく解説

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アンフルラージュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 19:00 UTC 版)

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アンフルラージュ(仏:Enfleurage)は、油脂を利用して花から香料を抽出する方法。古くから行われたやり方で、室温で行う冷浸法と、熱を加える温浸法の2種類が存在する。

冷浸法(れいしんほう)は、ジャスミンチューベローズ[注釈 1](月下香)など、主に摘みとった後も香りを失わないから香気成分を抽出するために使われた方法である[1]室温抽出が可能であるため、熱に弱い成分も抽出することができる。脱臭した固形の動物性脂肪(通常は精製した豚油[2])を塗ったトレーに花びらを並べて載せ、花びらに含まれる香気成分をトレーの脂肪に吸着させ、定期的に取り換える(ジャスミンの場合は24時間ごと)。脂肪1kgにつき花2-3kgの割合で作業を1か月ほど続けた後、低温でエタノールと混ぜる。エタノールによって、香気成分を脂肪から分離させることができる。この方法は、溶媒抽出法の理論のベースになっている[3]。(詳細は精油#抽出方法を参照)

温浸法(おんしんほう)は、熱を加えて抽出する方法で、熟成法[1]とも呼ばれる。バラオレンジの花(ネロリ)のように、摘みとった後に香りが失われる花に利用された[1]。冷浸法とほとんど同じやり方だが、成分の純度を高める作業が高温で行われる[1]。脂肪を熱して液体にし、これに花を投入し、脂肪が香気成分で飽和するまで数度花を取り替える。

両方法とも、作業の大半を手仕事に依存し、効率が悪い上にコストが高いため、現在ではほとんど行われていない[1]

脚注

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注釈

  1. ^ リュウゼツラン科で、バラ科ではない。

出典

  1. ^ a b c d e フランス香水委員会監修 『香水賛歌 魅惑の香り』 朝日新聞社、1994年
  2. ^ クリシー・ワイルドウッド 著 『アロマテラピーの精油でつくる自然香水』 高山林太郎 訳、フレグランスジャーナル社、1996年
  3. ^ マリア・リス・バルチン 著 『アロマセラピーサイエンス』 田邉和子 松村康生 監訳、フレグランスジャーナル社、2011年

アンフルラージュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 06:53 UTC 版)

精油」の記事における「アンフルラージュ」の解説

アンフルラージュは、油脂に花の芳香成分溶解させる古くからある抽出法冷浸法(仏: Enfleurage à froid 英: Cold enfleurage脱臭した固形動物性脂肪通常精製した豚油)に花びらなど香料植物置いて香気成分溶解させたのち、エタノール精油のみを脂肪から抽出する香気成分を含む脂肪ポマードといい、これをデカンタにかけて分離させ、取り出してエタノール混ぜるエタノールによって抽出され精油エキストラクトエキス)[要出典]、さらにそこからエタノール蒸発させて除去したものはアブソリュート呼ばれる。(アンフルラージュだけでなく、溶剤抽出法超臨界流体抽出法などで最終的に得られ香料アブソリュートと呼ぶ。)ジャスミンチューベローズ月下香)など、摘みとった後も香り失わない花に用いられた。冷浸法では熱による変質の無い非常に高品質精油得られるが、コスト高く収油率が低いため、現在ではほとんど行われていない。溶媒抽出法理論ベースになっている。 温浸法(仏: Enfleurage à chaud 英: Hot enfleurage熟成法とも。冷浸法とほとんど同じやり方だが、成分純度高め作業高温行われるバラオレンジの花のように、摘みとった後に香り失われる花に利用された。

※この「アンフルラージュ」の解説は、「精油」の解説の一部です。
「アンフルラージュ」を含む「精油」の記事については、「精油」の概要を参照ください。

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