アクリルラッカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 03:08 UTC 版)
アクリル樹脂を用いたラッカーは1950年代に開発された種類で、家庭用品品質表示法に基づく品名表示では「合成樹脂塗料」とされる。 熱可塑性を持ち、アクリル酸誘導体の重合によって得られる。アクリルは光沢を出すために磨く必要の無い琺瑯にも使われるが、これは速乾性を必要としない。アクリルラッカーの利点は速乾性に特に優れることであり、ゼネラルモータースはこの点に着目した。のちに自動車用塗料としての用途は、より天候や薬品への耐久性に優れる2成分系ポリウレタンの登場によって終わりを迎えた。その系は普通、色のついた下地と無色の上塗りからなり、クリアコートとして一般に知られる。アクリルラッカーは木材やプラモデルの塗装に広く用いられている。 プラモデルに利用される各種樹脂に塗装する場合、その樹脂を僅かに溶かすことで塗膜が形成される。塗布する材質がABS樹脂のような軟質樹脂の場合は浸透しやすく、脆くなったり割れたりすることがあるために扱いには注意が必要である。なお、この用途にもエナメルカラーと称される製品(タミヤ社のエナメルカラーやハンブロール社のエナメルカラー)もあるが、前項のニトロセルロース系とは異なりアクリル樹脂などを基礎とした、本項の系統の一種である。
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