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ホソバタブ

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 14:21 UTC 版)

ホソバタブ
1. ホソバタブ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : モクレン類 magnoliids
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: タブノキ属 Machilus
: ホソバタブ M. japonica
学名
Machilus japonica Siebold & Zucc. ex Blume (1851)[1][2]
シノニム
和名
ホソバタブ(細葉椨[4])、アオガシ[1][5]

ホソバタブ(細葉椨、学名: Machilus japonica[注 1])は、クスノキ科タブノキ属に分類される常緑高木の1種である(図1)。アオガシともよばれ[6]、こちらを用いていることも多い[1][5]タブノキに似るが、が細く、先端が長く尖り、若葉は緑色、冬芽はやや小さく、芽鱗の縁に灰白色の細毛がある。本州の中部以西から台湾朝鮮半島南部に分布する。

特徴

常緑高木であり、高さ10–15メートル (m) ほどになる[4][6](図1)。樹皮は灰褐色から黄褐色で平滑、縦に褐色の皮目が並ぶ[4][7](図2a)。新枝は緑色で無毛、二年枝は赤褐色になる[4][5]。葉は互生し、枝先にまとまってつく[4]。葉柄は長さ1.2–2.2センチメートル (cm)[4][7]。葉身は薄い革質、狭長楕円形から披針形、8–15 × 2–3.5 cm、基部は長く次第に狭まり、先端は細長く尖り、葉縁は全縁でやや波打ち、葉脈は羽状(側脈は6–10対)、表面は濃緑色で無毛、裏面は全面に灰白色の伏毛があるが、成葉になると毛が落ちて緑白色になる[4][5][7](図2b)。タブノキとは異なり、若葉は緑色で赤みを帯びない[4][5]。冬芽はタブノキよりも小さい[4](図3a)。芽鱗の縁には灰白色の毛がある[5]

2b. 樹皮
2b. 葉
3a. 芽
3b. 花序

花期は4–5月、散形花序が新枝に腋生する[4][5][7]。花序の柄は長く、分枝は横に広がる[5]。花は両性、黄緑色で小さい、花柄は 0.4–1 cm[4][5][8](図3b)。花被片は6枚、狭長楕円形、長さ4–5ミリメートル (mm)、内面と縁に細毛がある[4][5][7]雄しべは9個、3個ずつ3輪、花糸は糸状、第3輪の雄しべには1対の有柄腺体がある[5][7]。葯は4室、第1, 2輪の葯は内向、第3輪の葯は外向[5][7]。雄しべの内側には、心形で尖頭の仮雄しべが3個ある[5][7]雌しべは1個、長さ約 3.5 mm、花柱は糸状、柱頭は頭状[5]。果期は8–9月、果実液果、球形で直径 1 cm、黒紫色に熟す[4]。果実基部に花被片が残り、果柄はふつう赤みを帯びる[4]種子は1個、赤褐色の斑点がある[4]

分布

本州(中部地方以西)、四国九州南西諸島台湾朝鮮半島南部に分布する[2][6][5]。暖地のカシ林に生える[4]。渓谷沿いでは優占することがあり、高知県横倉山ではホソバタブが優占する群落が報告されている[4]

利用

は建築、家具、器具に利用される[4]。公園樹として植栽されることがあるが[4]、庭園樹としてはあまり使われない[6]

脚注

注釈

  1. ^ Machilus japonicus と表記されることもある[2]

出典

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Machilus japonica Siebold et Zucc. ex Blume”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Machilus japonicus”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2025年2月15日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Persea japonica (Siebold et Zucc. ex Blume) Kosterm.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月19日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 太田和夫 (2000). “ホソバタブ”. 樹に咲く花 離弁花1. 山と渓谷社. p. 412. ISBN 4-635-07003-4 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 米倉浩司 (2015). “タブノキ属”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 86–87. ISBN 978-4582535310 
  6. ^ a b c d 山﨑誠子『植栽大図鑑[改訂版]』エクスナレッジ、2019年6月7日、76頁。 ISBN 978-4-7678-2625-7 
  7. ^ a b c d e f g h 北村四郎・村田源 (1979). “ホソバタブ”. 原色日本植物図鑑 木本編 2. 保育社. p. 198. ISBN 978-4-586-30050-1 
  8. ^ Flora of China Editorial Committee. “Machilus japonica”. Flora of China. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2025年2月15日閲覧。

外部リンク

  • Machilus japonicus”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2025年2月15日閲覧。(英語)
  • ホソバタブ”. 広島県の樹木. 2025年2月15日閲覧。



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