アウトサイダー・アートとヴィジョナリーアート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/01 17:16 UTC 版)
「ヴィジョナリーアート」の記事における「アウトサイダー・アートとヴィジョナリーアート」の解説
しばしばアウトサイダー・アートとヴィジョナリーアートは相互に言い換えられる場合があり、そのためウィーン幻想派のように伝統技術を重視する芸術と、障害者の芸術を含むアウトサイダー・アートとの歴然とした違いに対する認知が不明瞭になりうるという問題がある。そのためウィキペディア英語版では、「ヴィジョナリーアートは独学の芸術家(アウトサイダー)と専門教育を受けた芸術家の双方によって制作が続けられている。」という記述によって誤解を避けようとしている。 アメリカ合衆国メリーランド州のボルチモアに所在するアメリカン・ヴィジョナリー・アート・ミュージアム(英語版)におけるヴィジョナリーアートの定義は、 「正式な教育を受けない独学の個人によって生み出された芸術作品であり、それは内なる個人のヴィジョンの中から現われた、とりわけ創造的な活動そのものを最大限に楽しむものである。」 といったものである。しかしながら多くのヴィジョナリー・アーティスト達は正式な教育を受けており、なおかつ彼らの多くは西洋美術史の中核をなしてきた伝統技術や想像力を重視している。そのため、アメリカン・ヴィジョナリー・アート・ミュージアムの活動趣旨と多くのヴィジョナリー・アーティスト達との方向性が必ずしも一致しているわけではない。 アメリカン・ヴィジョナリー・アート・ミュージアムにおいて、著名なヴィジョナリー・アーティストのアレックス・グレイの作品が展示された記録はあるものの、ウィーン幻想派やH・R・ギーガー、ズジスワフ・ベクシンスキーをふくむ現代の幻想的なリアリズムを積極的に紹介する活動は今のところ確認できていない。つまりこの美術館はアウトサイダー・アートの方向性を基本としていることが伺われる。
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