ぼっちの解体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 08:47 UTC 版)
落花生の乾燥が終わると脱莢作業のため、ぼっちを1か所に集める。ぼっちの運搬にはリアカー・トラクター・耕耘機・軽トラックなどを用い、大きいため1つずつ運搬する。ぼっちの土台に棒を差し込んで傾けるとぼっちを崩さずに荷台に乗せられる。集めたぼっちを崩して1株ごとに分解して、脱莢機にかける。乾燥した落花生はもろく、株は脱莢機の回転刃で粉砕されその下にある送風機で株とさやに分離される。この際、粉砕された茎や葉が粉塵となり、さやや根についた土が土埃(つちぼこり)となって周囲に飛散するため、脱莢作業者は風上に立って脱莢作業を行う。脱莢したさやの乾燥が不十分だった場合は、さらに日光にさらして水分を飛ばす。 回収したさやは麻袋に入れて出荷する。千葉県での出荷単位は1袋30 kgであり、ぼっち1つで麻袋1袋半(45 kg)の落花生のさやが得られる。残った株は堆肥化して畑に戻すのが一般的であるが、立ち枯れが発生した畑では次に落花生を栽培するときに同じ症状が出ないよう、焼却処分する。 伝統的な脱莢機は、イネやムギ用の脱穀機を地元の町工場が落花生用に改良したものであった。生産現場では運搬の手間を軽くするためトラクター用のリフターを使う農家が増えてきており、脱莢機をトラクターに装着して運搬作業そのものを省く場合もある。しかし脱莢により土埃や粉塵が飛散するのは伝統的な脱莢と変わりない。 少量の場合は脱莢機を使わずに手作業でさやを外す、棒でさやを打ち落とす、はしごなどに打ち付けてさやを落とすこともできる。
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