ドリル・ステム・テスト
【英】: drill stem test
略語: DST
井戸にケーシングをセットする前に、その地層の潜在的生産能力を確かめるために行われる地層試験(フォーメ-ション・テスティング、formation testing )の一方法で、ドリル・ステム(ドリル・ストリング)を通じて行う方法なので、この名称がついている。このテストにもいろいろな方法があるが、代表的な方法を次に述べる。DST 装置には、一つのパッカー、地上でドリル・ステムを操作することによって開閉可能な複数個のバルブ、または穴、そして圧力測定・記録装置などが含まれている。この装置はドリル・ステムの下に付けられて、パッカーの位置がテスト対象層の上でセットされるように、下部にアンカー・パイプ、テール・パイプを付けて坑底まで下げられる。このパッカーは対象層を上部の地層流体、坑内の泥水から隔離する役目を持っている。テール・パイプが坑底についた後、徐々に重みを加えていくと、パッカーがたたまれて横に広がり、テスト層と他の地層とを遮断する。さらに重量を加えると、パッカーの上に付いているテスターの内部のバルブが開き、地層内の流体がアンカーの中に入ってくる。地層流体がガスであれば、地表でその量を計ることができるし、油でも地層の圧力が高くて量が多ければ短時間に計量でき、その地層の産出能力を判定できる(図参照)。A の部分はテスター、B はパッカーで、C には圧力記録計が示されている。(1) 空のドリル・パイプに装置を付けて降入。このときバイパス・バルブは開いている。(2) パッカーをセットしてテスト層を分離。(3) プロダクション・バルブ開放。地層流体がドリル・パイプ内に侵入。(4) テスト終了。プロダクション・バルブ閉じる。(5) バイパス・バルブ開放。(6) パッカーを外し、装置を引き上げる。油の量が少なかったり、地層の圧力が低い場合には、地表まで出てくるのに時間がかかり過ぎたり、出てこない場合もある。しかし、ドリル・ステムを少し回転させると、バルブは閉じて、バルブの上部には地層から流入した液体がドリル・ステムの中に残るから、地上で採取することができる。 圧力記録を解析することによって、テストが正しく行われたかどうか判断できるし、その地層の産出能力も算出できる。この DST は試掘井でよく行われるが、地層の安定したところで行うべきである。![]() |

「どりる すてむ てすと」の例文・使い方・用例・文例
- (物が)落ちてすとんと音をたてるさま
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