たいほきょだく‐せいきゅう〔‐セイキウ〕【逮捕許諾請求】
逮捕許諾請求(たいほきょだくせいきゅう)
犯罪の捜査機関が国会の開会中に国会議員を逮捕しようとするとき、内閣を通じて国会に逮捕について許しを求める。このとき、内閣が国会に対して行う請求のことを逮捕許諾請求という。
内閣は、閣議決定を経て、対象議員が所属する議院に逮捕許諾を請求する。逮捕許諾請求を受けた議院は、議院運営委員会で採決を経て、議案を本会議にかける。そこで、出席議員の過半数の賛成で逮捕許諾を可決し、捜査機関による議員の逮捕を可能にする。そして、裁判所が発行した令状に基づき、その国会議員を逮捕できるようになる。
国会議員の逮捕に関してこのような複雑な手続きを取らなければならないのは、憲法で規定されている国会議員の不逮捕特権に基づく。国民の選挙によって選出される国会議員には、国民の代表として民主主義の重要な責任を担っているという建前がある。したがって、国会議員の身分は手厚く保障されているわけだ。
逮捕許諾請求は、日興証券利益供与事件(1998年)の新井将敬議員に対するもの以来のこと。最近では、オレンジ共済事件(1997年)の友部達夫議員や信組乱脈融資事件(1995年)の山口敏夫議員、ゼネコン汚職事件(1994年)の中村喜四郎議員などの例があり、今回の鈴木宗男議員に対するものは戦後19件目となる。
(2002.06.18更新)
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