その他の観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 05:31 UTC 版)
1999年、近接した連星系であるMACHO-1997-BLG-41の周囲に、重力マイクロレンズ法を利用して惑星を発見したことが報告された。この惑星は連星から離れた軌道を公転していると考えられたが、惑星の存在の根拠とされた観測結果が連星自体の運動によって十分説明できることが分かり、報告は取り下げられた。 また、グリーゼ630.1と呼ばれる三重連星系の一部を構成し、食連星としても知られるりゅう座CM星は、数度にわたって系外惑星探査の対象となった。食検出法による観測ではいくつかの惑星の存在が仮定されたが確証は得られず、最終的には全ての惑星候補の可能性が除外された。その後、惑星の影響を受けて連星系が運動することで食の間隔が変動する様子を捉える方法が用いられるようになったが、2009年の時点では惑星の実証には至っていない。ただし連星の軌道は軌道離心率が完全に0ではないため、外側に連星の軌道を楕円化するような巨大惑星か褐色矮星が存在する可能性がある。 周連星惑星自体の観測例が少ない一方で、周連星惑星の形成を示唆する周連星円盤は複数の連星系で見つかっており、恒星間の軌道長半径が3 au以下の連星系では一般的なものと考えられている。例えば、HD 98800と呼ばれる多重連星系では、67.6 au離れた2つの連星系が四重連星系を構成しているが、そのうち HD 98800 B と呼ばれるペアは0.699太陽質量と0.582太陽質量の恒星が軌道長半径0.98 au、軌道離心率0.785の楕円軌道で共通重心を周回する連星になっており、周囲には周連星円盤が見つかっている。この円盤は軌道離心率の大きなHD 98800 Bによって歪められ、2つの恒星の軌道面に対してほぼ垂直に傾いている複雑な構造を有している。一方でHD 98800 Aのペアには有意な量のダストは存在していない。
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