その他の状態との対照
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/21 01:18 UTC 版)
昏睡に似た状態がいくつかあるが、昏睡が最終的に診断されるには、まず鑑別診断によってそれ以外の可能性が排除されなければならない。例えば閉じ込め症候群、無動無言症、緊張病性昏迷など。 昏睡と昏迷は異なる。昏睡の患者は不快刺激や言語刺激に適切な反応を示さないが、昏迷の患者は不快な刺激に対して何らかの反応(叫ぶなど)を示す。 精神病にも昏睡に似るものがある。ある種の統合失調症、緊張病、極端に重篤なうつ病などは昏睡に似た状態を示す。 昏睡は(昏睡から移行することもある)植物状態とも区別される。植物状態は患者が認知神経学的機能を失い、まわりの環境を意識せず、しかし非認知的な機能や睡眠・覚醒のサイクルは保たれている状態である。自発的に動作したり、刺激に反応して目を開くことはあるが、話したり命令にしたがうことはできない。植物状態の患者はいくらか正常に見えることもあり、時々顔をしかめたり、泣いたり笑ったりすることもある。 同様に昏睡は脳死と同一ではない。脳死は全ての脳の活動の不可逆的な停止である。昏睡状態にあって、かつ自発的に呼吸できることもある。しかし脳死の人は、(その定義により)できない。脳死の前提条件は、深昏睡であり、脊髄反射があっても自発運動が認められない状態である。 睡眠とも異なる。睡眠は常に可逆的である。 昏睡、脳死といった言葉は急性期の状態を示す言葉である。慢性的なもの、すなわち古くは遷延性昏睡といわれた言葉は、現在は失外套症候群という。ちなみに、昏睡は、マラリアから発達するものでもある。 深昏睡状態でも外部の会話を知覚し意識回復後に再現するという例が、いくつか報告されている。
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