いくつかの行列式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 00:07 UTC 版)
2次対称群 S 2 {\displaystyle {\mathfrak {S}}_{2}} は恒等置換 id (id(1) = 1, id(2) = 2) と互換 σ = (1, 2)(σ(1) = 2, σ(2) = 1)の 2 つの置換からなるので | a 11 a 12 a 21 a 22 | = a 11 a 22 − a 21 a 12 {\displaystyle {\begin{vmatrix}a_{11}&a_{12}\\a_{21}&a_{22}\end{vmatrix}}=a_{11}a_{22}-a_{21}a_{12}} | a 11 a 12 a 13 a 21 a 22 a 23 a 31 a 32 a 33 | = a 11 a 22 a 33 + a 12 a 23 a 31 + a 13 a 21 a 32 − a 13 a 22 a 31 − a 11 a 23 a 32 − a 12 a 21 a 33 {\displaystyle \displaystyle {\begin{vmatrix}a_{11}&a_{12}&a_{13}\\a_{21}&a_{22}&a_{23}\\a_{31}&a_{32}&a_{33}\end{vmatrix}}=a_{11}a_{22}a_{33}+a_{12}a_{23}a_{31}+a_{13}a_{21}a_{32}-a_{13}a_{22}a_{31}-a_{11}a_{23}a_{32}-a_{12}a_{21}a_{33}} となる(第 1 項が id, 第 2 項が (1,2) に対応する項である)。 2 次あるいは 3 次の正方行列については、左上から右下へ向かう方向に「+」、右上から左下へ向かう方向に「-」の符号を付けて積を取りそれらの和を取ると行列式が求められる。これを「サラスの方法(英語版)」または「サラス展開」、「たすきがけの法」と言う。n 次正方行列に対して、サラスの方法で取り出せる項の数は高々 2n であり、一般には行列式の総項数 n! に比べてはるかに少ないため、4次以上の正方行列にはこの方法は使えない。 三角行列の行列式は、主対角成分の総乗をとることで求まる。三角行列の主対角成分には固有値が並ぶから、行列式の値は固有値の総乗である。このことは、基底の取替えによる行列の三角化可能性と行列式の乗法性によって、一般の正方行列に対しても正しい。つまり、与えられた行列の行列式の値は、その行列の固有値の総乗に等しい。
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