『陰獣』と久山秀子とは? わかりやすく解説

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『陰獣』と久山秀子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/28 09:14 UTC 版)

久山秀子」の記事における「『陰獣』と久山秀子」の解説

江戸川乱歩の『陰獣』(『新青年1928年8月増刊号 - 10月号)には、主人公探偵小説家寒川が、次のように語るくだりがある。 僕は或る人物思い出さないではいられなかった。ほかでもない女流探偵小説家平山日出子だ。世間ではあれを女だと思っている。作家記者仲間でも、女だと信じている人が多い。日出子のうちへは毎日のように愛読者青年からのラブ・レター舞い込むそうだ。ところがほんとうは彼は男なんだよ。しかも、れっきとした政府お役人なんだよ。 — 江戸川乱歩、『陰獣』 「平山日出子」はこの箇所にしか登場しないが、この、性別いつわって作品発表している作家存在が、犯人正体に関する重要なヒントとなっている。 のちに久山は、『新青年1931年2月増刊号発表したエッセイ丹那盆地断層』の中で、乱歩に対して冗談まじりの抗議をしている。 (略)あたしが大の男であるなンてことを幻想する者があるから困っちゃう。しかしあれは江戸川乱歩良くない。「平山日出子れっきとした政府お役人である」なアン与太を飛ばすもンだから、つい実在のあたしとコンガラカッちゃったんだわ。それよかね、乱歩こそ、ほんとう江川乱助っていうの。スラリとした、細面の、チャプリン髭生やしたトッテモいい男よ。 — 久山秀子、『丹那盆地断層

※この「『陰獣』と久山秀子」の解説は、「久山秀子」の解説の一部です。
「『陰獣』と久山秀子」を含む「久山秀子」の記事については、「久山秀子」の概要を参照ください。

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