『ヴァフスルーズニルの言葉』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 17:21 UTC 版)
「ラグナロク」の記事における「『ヴァフスルーズニルの言葉』」の解説
『古エッダ』の『ヴァフスルーズニルの言葉』では、博識の巨人ヴァフスルーズニルと、ガグンラーズ(Gagnráðr)という偽名を名乗ったオーディンが知恵比べをする過程で、ラグナロクについて言及する。その中で、神々の元にいる戦士達は、毎日戦い合っては戦死者を出し、しかし戦場から馬で戻って和やかに食卓に同席すると説明される(第40-41節)。また、ヴィーグリーズはスルトと神々の戦いの場だとされる(第17-18節)。また、ヴァン神族の国からアース神族の元に移った神ニョルズが、世界の終わる時にヴァン神族の元に帰るとされる(第38-39節)。恐ろしい冬が人間の世界に訪れても、ホッドミミルの森に隠れていたリーヴとリーヴスラシルの2人が生き残り、人間はこの2人からまた増えていくとされる(第44-45節)。太陽はフェンリルに捕らえられる前に美しい娘をもうけており、太陽の亡くなった後はこの娘が再び天を巡るとされる(第46-47節)。オーディンは狼に倒されるが、息子のヴィーザルが狼の顎を引き裂くとされる(第52-53節)。世界を焼き尽くしたスルトの炎が消えた後には、ヴィーザルとヴァーリ、モージとマグニは生き残っているとされる(第52-53節)。 なお、アクセル・オルリックは、ニョルズがヴァン神族の元に帰るのはヘーニルがアース神族の元に帰ることと対をなしていると推測している。作者である詩人が、混乱を経た後にはすべてが最初の状態(場所)に戻ると考えていたとしている。
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