「肯定的善」としての奴隷制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 02:26 UTC 版)
「アメリカ合衆国の奴隷制度の歴史」の記事における「「肯定的善」としての奴隷制」の解説
しかし、奴隷制度廃止運動が進み、プランテーションが拡大するに連れて、奴隷制に対する南部の弁明は影を潜めていった。当時の弁明は、奴隷制が労働者管理には恩恵のある仕組みだという主張に置き換えられた。ジョン・カルフーンは、1837年の上院における有名な演説で、奴隷制は「悪ではなく善である、肯定的善である」と宣言した。カルフーンはその見解を次のような理由で補強した。 あらゆる文明化した社会では、社会の一部は他人の労働に頼って生きなければならない。学問、科学および芸術は余暇の上に成り立つ。アフリカ人奴隷がその主人や女主人にやさしく扱われ、老年になって面倒を見て貰えば、ヨーロッパの自由労働者よりも良い生活ができる。奴隷制の下では資本家と労働者の紛争が避けられる。この点での奴隷制の長所は「干渉によって妨げられず、国が富み人が増えれば、より一層と明らかになってくる。」 — Beard C.A. and M.R. Beard. 1921. History of the United States. No copyright in the United States, p. 316.
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