「絨毯洗い」の行事
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「マシュハデ・アルデハール」の記事における「「絨毯洗い」の行事」の解説
詳細は「ガーリーシューヤーン(ペルシア語版)」を参照 マシュハデ・アルデハールでは、「絨毯洗い」(ガーリーシューヤーン)というシーア派の宗教行事が毎年行われる。 この行事のそもそもの始まりは、1000年以上も昔、マディーナから招かれて当地にやってきたソルターン・アリーがここで殺されたときの故事に由来する。アリーを助けるために駆けつけたものの間に合わず、暗殺を防げなかった支援者らは、アリーの遺体を絨毯でくるんで近くの小川へ運び、洗った。以後、ソルターン・アリーの命日にあたるイラン暦のメヘル月の第2金曜日になると、ゴムやカーシャーンなど周辺の町からマシュハデ・アルデハールに巡礼がやってくるようになった。巡礼は、アリーの遺体をくるんだ絨毯とされる聖遺物(アーサール)を担いで霊廟の外へ出し、エマームの子孫の死を悼みながら、さおで絨毯を打つ。この行為には、絨毯の汚れを落とすという表面的意味のみならず、ソルターン・アリーの敵への憎しみを表出することと、彼の殉教のかたき討ちを誓うという象徴的意味がある。巡礼は黒いシャツを着用し、宗教歌を歌い、声を上げて哭き、自分の胸を打つ(これには哀悼の意を示す意味がある)。その後、巡礼は絨毯を霊廟の近くにある小川で清める。この小川の水は神聖なものと考えられており、巡礼は自分の体にもこの水を塗る。自宅に持ち帰るために水筒につめる者もいる。絨毯を霊廟に返納すると儀式は終わり、巡礼には正午に食事がふるまわれる。 2009年にはマシュハデ・アルデハールで行われる「絨毯洗い」の行事に、20万人の巡礼が集まった。
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